ボクスホール・クレスタ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/21 04:01 UTC 版)
クレスタ PB
ボクスホール・クレスタ PB | |
---|---|
概要 | |
製造国 | イギリス |
販売期間 |
1962年 - 1965年 生産台数:8万7,047台[1] |
ボディ | |
ボディタイプ | 4ドア・サルーン、4ドア・エステート |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン |
2.6 L 直列6気筒 OHV 3.3 L 直列6気筒 OHV |
変速機 |
3速、4速 MT 2速、3速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 107 in (2,700 mm) [2] |
全長 | 182 in (4,600 mm) |
全幅 | 70 in (1,800 mm) |
1962年にモデルチェンジされたPB型は、PA型のテールフィンを取り去り、平らなボンネットを持つように大幅に外観を変更された、全体的に保守的なスタイリングの車であった。当初は2.6 L エンジンを搭載しており、生産最終年に3.3 L エンジンに換装されたが、特定の輸出市場では税金の関係から最後まで2.6 L エンジンであった。変速機は依然として3速コラムシフトであったが、オーバードライブ付きも選べるようになった。3.3 L モデルは3速コラムシフトが標準で、4速フロアシフトがオプションであった。GM系列車に相応しく、3速式のGM「ハイドラマチック」オートマチックトランスミッション(AT)が両エンジンで共に選択できたが、3.3 L モデルの末期にはATユニットは同じくGM製ながらなぜか旧式で効率も劣る2速「パワーグライド」(Powerglide)に変更された。前輪には倍力装置付きのディスクブレーキが装着された。
クレスタ PC
ボクスホール・クレスタ PC | |
---|---|
概要 | |
製造国 | イギリス |
販売期間 |
1965年 - 1972年 生産台数:5万3,912台[1] |
ボディ | |
ボディタイプ | 4ドア・サルーン、4ドア・エステート |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン | 3.3 L 直列6気筒 OHV |
変速機 |
3速、4速 MT 2速、3速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 107.5 in (2,730 mm) [2] |
全長 | 185.5 in (4,710 mm)(サルーン)、187 in (4,700 mm)(エステート)[8] |
全幅 | 69.8 in (1,770 mm) |
全高 | 55.6 in (1,410 mm)(サルーン)、59 in (1,500 mm)(エステート)[8] |
車両重量 | 2,796 lb (1,268 kg)(標準) |
その他 | |
燃料タンク容量 | 15 imp gal (68 L; 18 US gal) |
シリーズ最後のPCは、1965年10月のロンドン・モーターショー(London Motor Show)で発表された[9]。下級モデルのヴェロックスは既に廃止され、PCS(standard)、PCD(Deluxe)とPCE(Executive)の3モデル構成となり、最後のモデルは独自名称の「ヴァイカウント」となった。PCは前モデルとは異なり、先行してFD型ヴィクターで取り入れられたコークボトル形のスタイリングとなり、かなり明確にサイズを縮小したシボレー・インパラと言える車となった。ボディデザイン刷新に比し、ホイールベースやサスペンション構造などのスペックはPBからのキャリーオーバーで保守的設計は変わらなかった。
オーストラリア製のホールデン・HR(Holden HR)とも似ていたが、より大型で豪華な内装を持ち、その7年間の生産期間を通じて3.3 L の直列6気筒エンジンを搭載していた。シボレー・スモールブロックのV8エンジンがそのままエンジンルームに入ったが、このオプションはヨーロッパでは提供されなかった。当初はオーバードライブ付きもオプションで選べる3速コラムMTが標準で、4速MTと2速パワーグライドはオプションであった。後に1971年頃から4速MTか3速ATのフロアシフトがバケットシートと共に提供されるようになった。
ゼネラルモーターズ・ニュージーランドは、1966年から1971年までウェリントン近郊のトレンサム(Trentham)の自社工場でこの車の組み立てを行った。1つの「ベース」モデルのクレスタのみを組み立て、生産期間中の変更点は極僅かであり、英国市場では1971年頃に施されたフェイスリフトも行われなかった。しかし、生産期間中にブレーキ性能向上のためにブレーキがタンデム・マスターシリンダーに改善され、この改善はニュージーランド仕様では標準となった。4灯ヘッドライトのクレスタ デラックス、ヴァイカウントやエステートが完成車として英国から輸入もされた。
ニュージーランド市場では提供されなかったフェイスリフト後のモデルでは、4灯ヘッドライトが標準となりダッシュボードが一体型となった。コラムシフトに替わりフロアシフトが標準となった。
デラックス(De-Luxe)・モデルではベース・モデルの2灯ヘッドライトに対し4灯となった。
1967年1月に英国市場ではエステート版の納入が開始された[8]。この車は、ドーモビル(Dormobile)・キャンピングカーの改装(主にベッドフォード製)で知られるフォークストン(Folkestone)のマーティン・ウォルター(Martin Walter)製となった[8]。このエステート版は、強化型の後輪サスペンション、大径タイヤ(5.90-14inから7.00-14 in)とルーフラインの改装によりサルーンよりも2½ in (5 cm) 高くなっていた[8]。当初クレスタ エステートは、英国市場で£1,507で発売され、これは同等のサルーンに比べ40%近く高い価格であった[8]。長年市場で地位を保っていたハンバー・ホーク(Humber Hawk)のエステートと当時発売されて間もないフォード・ゼファー(Ford Zephyr)のエステートの英国での価格は各々£1,342と£1,379であった。クレスタ エステートは、通常は47 in (119 cm) で後席を折り畳むと76 in (193 cm) まで拡大できる荷室を持っていた[8]が、ボクスホールの競合車は多量に売れるような価格では無くエステートの生産は1968年で終了した。
ヴァイカウント
ボクスホール・ヴァイカウント | |
---|---|
概要 | |
製造国 | イギリス |
販売期間 |
1966年 - 1972年 生産台数:7,025台[1] |
ボディ | |
ボディタイプ | 4ドア・サルーン |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン |
3.3 L 直列6気筒 OHV 5.2 L (318 cu) クライスラー製V型8気筒(南アフリカ) |
変速機 |
4速 MT 2速、3速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 107.5 in (2,730 mm) |
全長 | 187.1 in (4,750 mm) |
全幅 | 69.8 in (1,770 mm) |
全高 | 55.6 in (1,410 mm) |
その他 | |
燃料タンク容量 | 15 imp gal (68 L; 18 US gal) |
1966年6月[9]にクレスタ PCと同一エンジンと同一の機械機構を持った超高級モデルとしてヴァイカウントが導入された。この車は、パワーステアリング、パワーウインドウ、リクライニングシート、ビニール貼りの屋根、ウォールナット仕上げのダッシュボード、前席と「後席」の巻き取り式シートベルトと熱線入りリヤウインドウも標準で装備していた。黒塗りにされたグリルとヘッドライト周りが高級な雰囲気を出しており、テールライトにはクロームが被せられていた。深緑、紺、マルーンといったボディ色の側面にハンドペイント風の細い線が入れられ、この車に特別仕上げの雰囲気を持たせていた。2組の2灯式5 in 径のシールドビーム・ライトの外側は2つのフィラメントを持っていたため、この車は4灯のメインビームを持っていた[9]。ヴァイカウントはクレスタよりも幅広タイヤ(5.90-14 inに対し7.00-14 in)を履いていた[9]。ヴァイカウントと同様の2本出しテールパイプは、同時期の3.3 L 版のクレスタ PCではパフォーマンス・オプションであった。標準のトランスミッションはGM製の2速パワーグライド(Powerglide)であったが、英国市場では£85廉価に[9]その他の地域では追い金無しでオプションの4速MTも選択することができた。1970年の秋に2速パワーグライドは、GM製3速ATに更新された[9]。
南アフリカ版ではクライスラー製のV8エンジンをオプションで搭載した車もあり、これはGM系製品が直接の競合となるメーカーのエンジンを使用した数少ない一例であった。
- ^ a b c d e Sedgwick, M.; Gillies.M (1986). A-Z of Cars 1945-1970. Devon, UK: Bay View Books. ISBN 1-870979-39-7
- ^ a b c d Culshaw; Horrobin (1974). Complete Catalogue of British Cars. London: Macmillan. ISBN 0-333-16689-2
- ^ a b c d “The Vauxhall Cresta”. The Motor. (1956-06-06).
- ^ “Second Hand car guide supplement”. Practical Motorist 6 Nbr 68: between pages 768 & 769. (April 1960).
- ^ a b c Oldtimer Katalog. Nr. 23. Königswinter: HEEL Verlag GmbH. (2009). pp. Seite 42. ISBN 978-3-86852-067-5.
- ^ a b c d “The Vauxhall Cresta Model PA”. The Motor. (1958-04-23).
- ^ “The Vauxhall Cresta”. The Motor. (1960-09-21).
- ^ a b c d e f g “Martin Walter Cresta Estate Car”. Autocar 126 (nbr 3699): page 13. (1967-01-05).
- ^ a b c d e f “Used Car Test: Vauxhall Viscount”. Autocar 134 (nbr 3920): pages 25–26. (1971-05-13).
- 1 ボクスホール・クレスタとは
- 2 ボクスホール・クレスタの概要
- 3 クレスタ PB
- 4 出典
- ボクスホール・クレスタのページへのリンク