ナギモドキ属 ナギモドキ属の概要

ナギモドキ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/05 20:45 UTC 版)

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ナギモドキ属
カウリマツ(Agathis australis
分類
: 植物界 Plantae
: 裸子植物門 Pinophyta
: マツ綱 Pinopsida
亜綱 : マツ亜綱 Pinidae
: マツ目 Pinales
: ナンヨウスギ科 Araucariaceae
: ナギモドキ属 Agathis
学名
Agathis Salisb.
和名
ナギモドキ属

本文参照

概要

ナギモドキ属は非常に大きな幹を特徴としており、この幹が分岐する事は稀である。幼木は普通低所の枝が長く、高所へ行くに従って短くなる円錐形であるが、成熟すると樹の頂点が丸みを帯び、また枝が不規則に分枝するようになる。

ナギモドキ属の樹皮は平滑で薄灰色をしており、樹の成長や樹皮の肥厚に伴い不規則な形の断片として剥落する。幼木の枝は水平方向に伸びるが、成長するに従って上向きの枝が多くなる。低い枝は自然に落ちていき、幹に円形の跡を残す。ナギモドキ属の全ての種は成木よりも幼木の方が大きなを付ける。幼木の葉の形状は尖ったもの、卵形のもの、披針形ものなど種によって様々である。一方成木の葉は楕円形から直線形で、のように厚く硬い。幼木の葉は緑色もしくは灰緑であるが、季節によってはしばしば赤銅色を呈する。

雄花は成長した大きな樹にのみ見られる。雌花は短い側枝に生じる場合が多く、形は卵型-球形である。幾つかの種の種子Agathiphaga 属のの幼虫による食害を受ける事がある。

またナギモドキ属の樹の樹脂は分泌量が多く、ダンマル樹脂(: Dammar gum)の原材料になる。

種と分布

Farjon et al. (2018) では17種が認められている。

ワイポウア森林保護区にあるカウリマツ(A. australis)の巨木テ・マツア・ナヘレTe Matua Ngahere)。ニュージーランドで2番目に大きい。最も大きいタネ・マフタTāne Mahuta)もこのすぐ近くにある。

利用

ナギモドキ属の樹木からは様々な天然樹脂が採れ、木材と並んで利用されている。幹は木目がまっすぐで良く揃っており、木材としての品質に優れる。材は安価なギター囲碁碁盤に用いられる。日本国内においては「南洋桂」や「新桂」の名で知られるが、これらは材としての商品名であり、カツラ科カツラ属の落葉広葉樹とは何の関係ない。


  1. ^ a b 米倉・梶田 (2013-).
  2. ^ kauri - Māori Dictionary. 2018年11月3日閲覧。
  3. ^ Farjon, A. (2013). Agathis borneensis. The IUCN Red List of Threatened Species 2013: e.T202905A2757743. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2013-1.RLTS.T202905A2757743.en. Downloaded on 03 November 2018.
  4. ^ Farjon, A. (2013). Agathis dammara. The IUCN Red List of Threatened Species 2013: e.T202906A2757847. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2013-1.RLTS.T202906A2757847.en. Downloaded on 03 November 2018.
  5. ^ ウォーカー 編 (2006).
  6. ^ Thomas, P. (2010). Agathis moorei. The IUCN Red List of Threatened Species 2010: e.T185863A8493742. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2010-3.RLTS.T185863A8493742.en. Downloaded on 03 November 2018.
  7. ^ Corner & Watanabe (1969).
  8. ^ Farjon, A. (2013). Agathis robusta ssp. nesophila. The IUCN Red List of Threatened Species 2013: e.T16435549A16435565. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2013-1.RLTS.T16435549A16435565.en. Downloaded on 03 November 2018.


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