ターミネーター (映画)
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スタッフ
- 監督 - ジェームズ・キャメロン
- 製作 - ゲイル・アン・ハード
- 製作総指揮 - ジョン・デイリー/デレク・ギブソン
- 脚本 - ジェームズ・キャメロン/ゲイル・アン・ハード
- 撮影 - アダム・グリーンバーグ
- 美術 - ジョージ・コステロ
- 編集 - マーク・ゴールドブラット
- 音楽 - ブラッド・フィーデル
- 特殊効果 - スタン・ウィンストン/Fantasy 2 Film Effects/パシフィック・データー・イメージズ
- 提供 - ヘムデイルフィルムコーポレーション/シネマ84/ユーロフィルムファンド/パシフィックウェスタン
製作
製作にまつわるエピソードとして、キャメロンが見た悪夢の話がある。1981年に監督した『殺人魚フライングキラー』が失敗した際、キャメロンは評論家やマスコミにひどくこき下ろされたため、屈辱のあまり熱を出して寝込んでしまったという。そのとき、「炎の中からロボットが現れて自分を殺しに来る」という悪夢を見たことが、本作を製作するきっかけとなったと語っている[要出典]。
作中で「審判の日」 (Judgement day) とされているのは1997年8月29日であるが、この月日は当時アメリカと冷戦を激化させていたソ連による初の原爆実験 (RDS-1) に由来し[4]、映画公開の前年(1983年)には、実際に第三次世界大戦が起きかねない監視システムのコンピュータが核ミサイル発射を誤報した事件も起きていた[5]。キャメロンは本作について、冷戦を意識していたことを述べている[6]。
製作に当たり、キャメロンは「現代の技術では殺人ロボットの実現は不可能であるし、かといって未来の話ではセットに費用がかかるうえに観客にも受け入れがたいと考えた結果、未来の殺人ロボットが現代にやって来るタイムトラベルのアイデアが浮かんだ」と語っている[要出典]。
人選
主役のT-800について、企画当初の予定では続編『ターミネーター2』(1991年)に登場するT-1000のような、「一見すると貧弱そうな普通の男が異様な強さを発揮する」というキャラクターを構想していた。その候補にはランス・ヘンリクセンが挙がっており、パイロット版も制作されていた。また、O・J・シンプソンをT-800役に配役する構想もあった[7]。
一方、俳優としてのキャリアが浅かったシュワルツェネッガーは、台詞を多く喋りたいという理由や主役を演じたいという理由から、カイル・リース役を望んでいた[7]。しかし、キャメロンはシュワルツェネッガーと会食した際にT-800の設定についての良いアイディアを1時間も力説され、この役には彼こそが相応しいと確信して変更する[7]。その結果、T-800はシュワルツェネッガーを象徴する役柄となり、シリーズを通して出演する名キャラクターとなった[7]。なお、次作『ターミネーター2』以降は悪役から主役へと立場が変化し、人類側(ジョン・コナーを守る立場)として活躍するようになる。
本作以前のシュワルツェネッガーは、『コナン・ザ・グレート』(1982年)のヒットもあって全くの無名というわけではなかったものの、元々オーストリア出身で強いドイツ訛りがあるうえ、当時は英語が不得意なこともあり中々役に恵まれず、苦労を重ねていた。しかし、却ってこの英語の不得手さがロボットであるT-800の非人間感と相性がよく、『コナン』に次ぐシュワルツェネッガーの当たり役となった[8]ことで、一躍国際的なスターへと上り詰めた。
カイルを演じたマイケル・ビーンも、オーディション当時は舞台劇の影響で南部訛りが強かったため、不自然という理由で落とされかけたが、エージェントによって南部出身者ではないと説明され、危機を脱した[要出典]。
なお、主役を交代したヘンリクセンは本作でブコビッチ刑事を演じている。
裁判
設定の一部について、1963年のテレビドラマ『アウター・リミッツ』のハーラン・エリスンが脚本を担当した2つのエピソード(第33話「38世紀から来た兵士」、第37話「ガラスの手を持つ男」)から剽窃したものである、との訴えがエリスン側から起こされた。結局、キャメロンは80万ドルを支払い、ビデオ化以降のエンドクレジットに「Acknowledgement to the works of HARLAN ELLISON」(ハーラン・エリスンの作品に謝辞)と追加することを条件に和解した[要出典]。
- 「38世紀から来た男」
- 未来から戦いしか知らない男がタイムスリップしてきて、愛や平和といった未来では存在しない感情や常識に触れていくことで、少しずつ人として変化していくストーリー。
- 「ガラスの手を持つ男」
- 高層ビルの中で、なぜか異星人に狙われるガラス製の手をもつ男が、奪われた指(実は指は記憶回路である)を一つずつ取り戻していく。それにより、自身が背負うことになった重大な使命を思いだすというストーリー。
エンディング
ガソリンスタンドにいた少年に「嵐が来るよ」と言われたサラが「ええ、わかってるわ」と返すシーンは「機械との戦争が待つ未来」を暗示させるものであるが、これは製作陣があらかじめ続編を意識していたことの表れともされている。元々は、破壊されたT-800のチップを技術者が回収するシーンに加え、最後の戦いを繰り広げた場所がサイバーダイン社であったという、より強い伏線を張ったエンディングであったが、キャメロンの「映画は説明しすぎず、観客の想像に任せたほうがいい」との判断により、カットされた[要出典]。
評価
本作は批評家から大絶賛されており、映画批評集積サイトの「Rotten Tomatoes」には60件以上のレビューがある。批評家支持率は100%、観客満足度は89%と、高く評価されている[9]。平均点は10点満点中8点となっており[10]、インターネット総合評価では、批評家による加重スコアが100のうち84、観客によるスコアが10のうち7.5となっている[11]。
受賞記録
- 1985年「アボリアッツ国際ファンタスティック映画祭」グランプリ受賞[12]。
- ^ a b c “The Terminator (1984)”. Box Office Mojo. 2010年1月4日閲覧。
- ^ ターミネーターシリーズ全6作順番!おすすめ映画評価ランキングや興行収入一覧
- ^ 「キネマ旬報」2016年3月下旬号 109頁
- ^ “‘Terminator 2: Judgement Day’ Turns 25: 25 Things You Never Knew About The Film”. The Hollywood news. (2016年7月5日) 2019年6月27日閲覧。
- ^ “Terminator Franchise: An Analysis”. Medium (2019年8月15日). 2019年8月21日閲覧。
- ^ “Franchise Fred Interview: David Ellison and Dana Goldberg on Terminator: Genisys”. Nerd Report (2015年6月29日). 2019年8月21日閲覧。
- ^ a b c d “シュワルツェネッガー、『ターミネーター』で当初T-800を演じたくない理由があった”. フロントロウ (オウトグラフ プロダクション). (2021年2月24日) 2021年2月27日閲覧。
- ^ [1]
- ^ “ROTTEN TOMATOES”. Variety (2020年8月3日). 2020年8月3日閲覧。
- ^ “IMDB”. Variety (2020年8月3日). 2020年8月3日閲覧。
- ^ “METACRITIC”. Variety (2020年8月3日). 2020年8月3日閲覧。
- ^ 株式会社スティングレイ、allcinema、1985年 第13回 アボリアッツ・ファンタスティック映画祭。2020年2月1日閲覧。
- ^ “ターミネーター:作品情報”. 映画.com. 2022年12月31日閲覧。
- ^ テレビ東京版の吹き替えでは警部補になっている。
- ^ “レアな大友龍三郎版も収録、「ターミネーター」“吹替の帝王”版Blu-rayが登場”. AV Watch (インプレス). (2015年3月3日) 2021年2月17日閲覧。
- ^ 久保一郎 (2015年8月). “『T-800とモビー・ディック』”. ダークボのふきカエ偏愛録. 吹替キングダム. 2024年2月12日閲覧。
- ^ 今回の注目作:「プレデター」
- ^ “YASKAWA NEWS No.267” (PDF). 安川電機. 2017年11月3日閲覧。
- ^ 『ターミネーター2』のT-800に関しては、ジョンが人間に関する事を教えたり、一緒に遊んだりする様子を見て次第に信用していき、別れの際には握手を交わしており、このT-800が命の尊厳や、悲しみの感情を理解した事に関して、彼等が理解出来たのなら、きっと私達にだって理解できるはずと言う語りをラストのシーンにて発言している。
- ^ “5月25日が「ターミネーターの日」に認定!シュワちゃんもご満悦”. シネマトゥデイ (2015年5月8日). 2015年5月8日閲覧。
- ^ “『モータルコンバット11』にターミネーターことT-800、バットマンのジョーカーがDLC参戦”. Engadget 日本版. (2019年8月22日). オリジナルの2019年8月22日時点におけるアーカイブ。 2020年5月15日閲覧。
- ^ “発売されなかったファミコン版『ターミネーター』のプロモ映像が発掘! 後に『ラフワールド』になった作品”. Game*Spark. (2019年7月9日) 2020年5月15日閲覧。
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