ウインチ ウインチの概要

ウインチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/05 08:50 UTC 版)

ドラムにワイヤーロープなどを多層巻きするものには、ロープをガイドすることでドラムに均等な巻きつけをするためのシフター装置を装備するものがある。

形態

港湾用定置型電動ウインチ
建設機械運搬車の荷台に装備された油圧ウインチ
定置型
專ら構造物に固定して用いる構造のウインチ。貨物・船舶・車両等の昇降や小移動のほか、リフト・エレベーター・可動橋や乗用遊具の昇降、大形扉やドーム屋根の開閉、プラントや舞台装置など各種機械設備の動作にも使われる。
100V小型ポータブル定置タイプ
家庭用100Vで使用できる小型ポータブル定置タイプも登場している。(トーヨーコーケンのベビーマイティやユニパーの疾風(はやて)ウインチなど)。
可搬型
仮設的に短期間使用する目的のウインチで、移動運搬に便利な構造を備えるもの。
小型ホイスト
吊り下げ式の巻き揚げ機。建築工事現場で比較的に軽量な建材や工具などの荷揚げに多用されている。(トーヨーコーケンのベビーホイストや京セラインダストリアルツールズの吊り下げ型ウインチなど)。
林業集材装置
長方形のソリの上に複胴ウインチとエンジンを取り付けたもの。伐採樹木の引き寄せ集材作業のほか、林業以外の仮設貨物用ロープウェイや送電線工事、デリックにも多用されている。
手巻きウインチ
可搬型としては、電気工事用、鉄道架線工事用、人命救助用、山岳救助用、多目的軽荷重用途のものがある。
オンボード(搭載)型
船舶、四輪駆動車、林業用車両、車両積載車、救助用工作車などに搭載されている。

動力

帆船が使われていた時代には、船上にキャプスタンと呼ばれる巻き上げ機を設置することで巻き上げを補助していた。巻き上げるスピードはシーシャンティという労働歌によりリズムを調整した。

原動機が登場すると動力として使われるようになった。現代では定置型では電動機とエンジンが多い。

1960年頃までは、船舶鉄道の分野において、蒸気機関を動力源とするウインチが多用されていたが、現在はほとんど用いられていない。

車載用ウインチでは、電動式はSUVなどに適したレジャー用や小型小容量の後付型など少数派で、エンジンの回転力をトランスミッション、またはトランスファー四輪駆動車の場合)から分配するパワーテイクオフ(Power Take-Off、PTO)方式が主流である。

PTO式での動力の伝達は、機械式と呼ばれるギアと回転シャフトで回転力をウインチに伝えるものと、PTOで油圧ポンプを駆動し油圧モーターでロープ巻取ドラムを駆動する油圧式とがある。小型のものは構造が単純な機械式も用いられているが、産業用のものや、大型で牽引能力が大きいものでは、エンジンストールの心配が無く、かつ操作が容易な油圧式がほとんどである。

炭鉱鉱山、トンネル工事現場などの坑道や、石油系化学系プラントなど可燃性・爆発性ガスに触れる虞のある場所では、漏電や電気火花を生じる危険性が無く、に曝されても故障の少ない圧縮空気を動力源とするウインチが多用されている。

人力のものは、ハンドウインチとも呼ばれる。巻き取りドラムを持たないチルホールにくらべ、巻き込めるロープ長に制限があり、巻取り可能なロープ長さは短い。ただし、小型軽量かつ電源が必要ないため価格が安く、懸垂幕、シャンデリアなどの照明器具昇降装置、ゴルフ場などのネット昇降装置、小型船舶、農業設備、駐車場ロープ巻取り、コンベア脚俯仰用など、定置型でも使用頻度が少なく軽荷重な用途や小型軽量化が求められるあらゆる用途に使用されている。

原動機による分類

電動式
油圧
空圧
  • エアモーター(スピードコントロールが可能。防爆区域の使用に適している)
エンジン

  1. ^ 落合直文「ういんち」『言泉:日本大辞典』 第一、芳賀矢一改修、大倉書店、1921年、347頁。 
  2. ^ J. J. Coulton, “Lifting in Early Greek Architecture,” The Journal of Hellenic Studies, Vol. 94. (1974), pp. 1-19 (12)


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