インフレキシブル (装甲艦) インフレキシブル (装甲艦)の概要

インフレキシブル (装甲艦)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/27 13:20 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
艦歴
発注 ポーツマス造船所
起工 1874年2月24日
進水 1876年4月27日
就役 1881年7月5日
退役
その後 1903年にスクラップとして廃棄
除籍 1893年
前級 ネプチューン
次級 エイジャックス級
性能諸元(竣工時)
排水量 常備:10,880トン
満載:11,880トン
全長 104.85m
水線長 97.5m
全幅 22.86m
吃水 7.77m(常備)
8.02m(満載)
機関 型式不明石炭専焼円缶12基
+横置き型二段膨脹式レシプロ機関2基2軸推進
(1895年に三段膨張式三気筒レシプロ機関2基2軸推進に更新)
最大出力 6,500hp(機関航行時)
(1895年:7,360hp)
最大速力 12.5ノット(機関航行時)
(1895年:14.7ノット)
航続距離 10ノット/3,900海里(機関航行時)
燃料 石炭:1,300トン
乗員 440名
兵装 竣工時:
アームストロング 1874年型 40.6cm(18口径)前装填式連装砲2基
1859年型 20ポンド:9.53cm(22.3口径)単装砲8基
35.6cm水上魚雷発射管単装2基
35.6cm水中魚雷発射管単装2基
1895年:
アームストロング 1874年型 40.6cm(18口径)前装填式連装砲2基
1861年型 10.2cm(-口径)単装砲6基
35.6cm水上魚雷発射管単装2基
35.6cm水中魚雷発射管単装2基
1897年:
アームストロング 1874年型 40.6cm(18口径)前装填式連装砲2基
1864年型 12cm(40口径)単装速射砲6基
オチキス 5.7cm(40口径)単装速射砲4基
オチキス 4.7cm(23口径)機砲4基
35.6cm水上魚雷発射管単装2基
35.6cm水中魚雷発射管単装2基
装甲 複合装甲(鉄板+チーク板)
舷側:356~610mm(水線部)、432mm(上甲板側面)、76~431~356mm(艦首尾部)
ボックスシタデル:508mm(前後隔壁)、533mm(側面)、76mm(上面)
主砲塔:178mm(側盾)
主砲バーベット部:431mm(最厚部)
司令塔:305mm(最厚部)

概要

本級の武装・装甲配置を示した図。

本艦はイギリス海軍が自国の沿岸防衛のために建造した中央梯形配置砲塔装甲艦である。設計者はナサニエル・バーナビー[1]。本艦の特徴として前装填式ながら40.6cmという大口径砲を採用し、これを円筒形の砲塔に納めて2基4門という強力な火力を有していた。建造には81万2千ポンドかかり高額のため同型艦の建造はなされなかった。本艦は竣工時から直流発電機を備える最初の主力艦であった。800Vを発する発電機は薄暗い機関室だけでなく艦内の随所に白熱電球の灯りを提供した。しかし、まだまだ灯油ランプとアーク燈を併用していた時代であったために電線の取り回しには困難であった。

艦形

上方から撮影された竣工当時のインフレキシブル。湾内で艦載艇を下して運用している風景。

本艦の基本構造は平甲板型船体に2本の帆走ブリッグ型マストと2本煙突を持つ装甲フリゲートである。水面下に衝角を持つ艦首から幅の狭い船首楼が始まり、その上の前部マストの後方に位置する1番煙突で終了した。船首楼と後部上部構造物の幅は主砲塔の射界を確保するために船体幅の半分しか持たず、艦内容積を狭めた。

そこから甲板1段分下がった船体中央部の甲板上にアームストロング(後のアームストロング・ホイットワース)製「40.6cm(18口径)前装填砲」を2門ずつ収めたを伏せたような形状の主砲塔2基を、船体中央部に位置する両脇に船橋を持つ操舵艦橋を挟むように左舷側前方に1番主砲塔を、右舷側後方に2番主砲塔を梯型配置で2基を配置していた。2番煙突の背後から上部構造部が始まり、その上に後部マストが立つ。この時期には艦載艇蒸気機関で航行する物が搭載され、本艦には艦載水雷艇も積まれた。これら艦載艇は爆風を避けるために後部マストの周囲に並べられ、後部マストの基部に付いたボート・クレーンにより運用された。艦尾水面下には1枚舵を挟むように2枚羽のスクリュープロペラが片舷1軸ずつ計2軸推進であった。

本艦は1898年から1899年11月に近代化改装され、機関を強化して帆走設備を全て撤去し、帆走用だったマストは1段の見張り所を持つミリタリー・マストに一新され、見張り所に4.7cmクラスの速射砲を並列で前後2基ずつ配置された。この時に船体中央部にあった操舵艦橋は1番煙突の前側に移動されて爆風が避けられる設計となった。船首楼から後部構造物への移動を容易に行えるように前後の煙突の中部に「空中甲板(フライング・デッキ)」が設けられた。


  1. ^ 『日本戦艦物語I』p.59-61『戦艦史をかざる四人の造艦設計者』


「インフレキシブル (装甲艦)」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「インフレキシブル (装甲艦)」の関連用語

インフレキシブル (装甲艦)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



インフレキシブル (装甲艦)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのインフレキシブル (装甲艦) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS