アレクサンダー・クルーゲ アレクサンダー・クルーゲの概要

アレクサンダー・クルーゲ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/26 14:39 UTC 版)

アレクサンダー・クルーゲ
Alexander Kluge
生年月日 (1932-02-14) 1932年2月14日(91歳)
出生地 ドイツ国 ザクセン=アンハルト州
職業 映画監督
 
受賞
カンヌ国際映画祭
国際映画批評家連盟賞
1976年『過激なフェルディナンド』
ヴェネツィア国際映画祭
金獅子賞
1967年サーカス小屋の芸人たち 処置なし
審査員特別賞
1966年『きのうからの別れ』
国際映画批評家連盟賞
1983年『感情の力』
新人賞
1966年『きのうからの別れ』
栄誉金獅子賞
1982年
その他の賞
テンプレートを表示

経歴

第二次世界大戦後、マールブルク大学フランクフルト大学で、法学歴史学音楽を学ぶ。1956年に博士号取得。フランクフルトへ戻っていた、テオドール・アドルノの社会学研究所の顧問弁護士を務め、そうする中で小説を書き始める。アドルノの勧めにより、映画研究を始め、1958年には、アドルノの仲介によりフリッツ・ラングと知り合い、助手を務める。1960年にP・シャモニと共同で製作した短編映画『石の獣性』でデビュー、同年のオーバーハウゼン国際短編映画祭で6つの賞を受けるなど好評を博す。1962年には「オーバーハウゼン・マニフェスト」に参加し、以降「若きドイツ映画」の中心的作家として活躍する。1966年に最初の長編『昨日からの別れ』がヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞、翌年の長編『サーカス小屋の芸人たち 処置なし』も同映画祭で金賞を受賞し、国際的な名声を得た。また、1977年シュライヤー事件が起こると、翌年彼の提唱によって同事件を題材にした共同作品『秋のドイツ』が製作された。1985年クライスト賞、2003年ゲオルク・ビューヒナー賞、2009年テオドール・アドルノ賞など各種の文化賞も受賞。

クルーゲの作品は物語性を否定し、引用や字幕などを効果的に用いた分析的手法で、戦後ドイツの政治・社会状況を皮肉とユーモアを交えて描いた物が多い。一方で文筆活動にも精力的で、映画の原作も手がけるほか、小説『履歴書』、『戦場の記述』なども発表し、高い評価を受けている。1973年以降、フランクフルトゲーテ大学の員外教授も務めている。

主な作品

  • 石の獣性(共同監督、短編) Brutalität in Stein (1960)
  • 成功証明のポートレート(短編) Porträt einer Bewährung (1964)
  • 昨日からの別れ Abschied von gestern (1966)
  • ポーカー Pokerspiel (1966)
  • 1872年1月5日生まれのブラックバーン夫人が撮影される(短編) Frau Blackburn, geb. 5. Jan. 1872, wird gefilmt (1967)
  • サーカス小屋の芸人たち 処置なし Die Artisten in der Zirkuskuppel: ratlos (1967)
  • 御し難いレニ・パイケルト Die unbezähmbare Leni Peickert (1969)
  • 大きな混乱 Der große Verhau (1970)
  • 攻撃船に我々は3×270億ドル投じる(短編) Wir verbauen 3 x 27 Milliarden Dollar in einen Angriffsschlachter (1971)
  • ヴィリー・トープラーと第6艦隊の壊滅 Willi Tobler und der Untergang der 6. Flotte (1972)
  • 定めなき女の日々 Gelegenheitsarbeit einer Sklavin (1973)
  • 危急の際に中道は死(共同監督) In Gefahr und größter Not bringt der Mittelweg den Tod (1974)
  • 過激なフェルディナント Der starke Ferdinand (1975)
  • 邪悪な戦争に今夜、斯くも脅えて忍んで行く Zu böser Schlacht schleich ich heut Nacht so bang (1977)
  • ホーエンシュタウフェン記念展に備える人々(共同監督) Die Menschen, die das Stauffer-Jahr vorbereiten (1977)
  • ホーエンシュタウフェン記念展に備える人々(二部作、共同監督、短編) Nachrichten von den Stauffern I und II (1977)
  • 秋のドイツ(共同監督) Deutschland im Herbst (1978)
  • 愛国女性 Die Patriotin (1979)
  • 候補者(共同監督) Der Kandidat (1980)
  • 戦争と平和(共同監督) Krieg und Frieden (1982)
  • 感情の力 Die Macht der Gefühle (1983)
  • 盲目の映画監督 Der Angriff der Gegenwart auf die übrige Zeit (1985)
  • 雑報 Vermischte Nachrichten (1986)

参考文献

  • 瀬川裕司、松山文子、奥村賢編『ドイツ・ニューシネマを読む』(フィルムアート社、1992年)



「アレクサンダー・クルーゲ」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アレクサンダー・クルーゲ」の関連用語

アレクサンダー・クルーゲのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アレクサンダー・クルーゲのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアレクサンダー・クルーゲ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS