ふじみ野市
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/26 06:35 UTC 版)
地理
埼玉県南部、東京都心から30km圏内に位置する。 東西約7.5km、南北約6.0kmで、総面積は14.67平方km。北・西は川越市、東・南は富士見市、南は三芳町に隣接する。
武蔵野台地の北部のほぼ平坦な土地に位置し、地質は関東ローム層である。 北部の市境には、江戸時代から昭和初期にかけて川越と江戸(東京)を結ぶ舟運の水路であった新河岸川が流れている。
市のほぼ中央を鉄道の東武東上線と、幹線道路の川越街道(国道254号)が平行して通っている。北東部を富士見川越バイパス(国道254号)、南西部を関越自動車道、また市の中心部を北東から南西に向けて主要地方道である埼玉県道56号さいたまふじみ野所沢線がそれぞれ通っている。
気候は太平洋側気候で、夏は高温で降水量が多く、冬は強い北西の季節風が吹き晴天の日が多いのが特徴。
歴史
- 2005年10月1日 - 上福岡市と入間郡大井町が合併して発足。
- 2006年3月30日 - 上福岡駅西口再開発エリア「ココネ上福岡」まちびらき。
- 2010年7月1日 - 旧大井町内で運行していた循環バスを、市内全域に拡大。
合併までの地域の歴史
旧上福岡市地域は大正3年、東上鉄道(現・東武東上本線)上福岡駅が市域の西部に開業したことを契機に、市街地が形成されるようになった。日本住宅公団(現・都市再生機構)により昭和34年霞ヶ丘団地、昭和35年上野台団地が相次いで建設されて急速に都市化が進み、東京のベッドタウンとして人口が急増した。一時期[いつ?]旧上福岡市は全国で最も人口密度が高い市として注目された。 さらに1993年(平成5年)、富士見市北西部の富士見市勝瀬にふじみ野駅が開業し、同駅周辺の開発が急速に進み、アイムふじみ野(高層マンション)などが富士見市に建設されると、富士見市北西部に隣接するふじみ野市駒林地区やその周辺地域の開発も進んだ。
旧大井町地域は、川越街道(国道254号)に沿って集落が形成されていた「鉄道駅が無い町」であった。 大正3年、上福岡駅が旧上福岡市西部に開業したことを契機に、旧上福岡市西部に隣接する亀久保・鶴ヶ岡地区から都市化の芽が出始める。さらに、1993年(平成5年)、富士見市北西部の富士見市にふじみ野駅が開業して同駅周辺の開発が急速に進むと、富士見市北西部に隣接する苗間地区では日本初のアウトレットモール・リズム(2011年閉店[注釈 2])が開店する。その後、亀久保地区東南部に大井サティ(現・イオン大井店)が開店し、それらの周辺地域の開発が進む。 旧大井町は一時期、埼玉県内で最も人口増加率の高い町として、また全国で最も人口密度の高い町として注目された。
ふじみ野駅の駅名は1993年(平成5年)の開業に際して、富士見市、上福岡市、入間郡大井町、同郡三芳町による2市2町合併運動中であったこれら地元市民への公募の中から合併後の新市名「ふじみ野市」にちなんだ名称として決められた。2市2町合併は住民投票の結果、不成立となったが「ふじみ野」駅の名称はそのまま採用された。2市2町合併の住民投票が不成立となった後、2005年(平成17年)に旧上福岡市と旧大井町が合併してふじみ野市の名称を採用した。富士見市や富士見市民は、駅の所在地住所が富士見市にもかかわらず駅名が「ふじみ野」だと隣市であるふじみ野市と紛らわしいのでふじみ野市の名称を使わないようふじみ野市側に要請する動きをみせたがこの名称は変更されず現在に至っている。
2市2町の合併協議
この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2009年6月) |
1990年代前半から東入間青年会議所を中心に、富士見市、上福岡市、入間郡大井町と三芳町の合併運動が推進されてきた。 2市2町による合併協議会において合併後の新市名として「ふじみ野市」が使用されることが決まった。
- 2市2町である富士見町(富士見市の前身)、福岡町(上福岡市の前身)、大井町、三芳町は、入間郡の東部地域の町・村自治体として社会経済的に密接な関係があった。入間東部地区消防組合や「急患休日診療所」、当時の「入間東部農業協同組合(現いるま野農業協同組合)」の名称にも「入間東部」が使われている。
- 保健所・埼玉県警察(東入間警察署)の管轄も同じである。
合併は富士見市、上福岡市、大井町が熱心であったが、三芳町は次に述べるように財政的に豊かであり合併の機運は盛り上がらなかった。住民投票の日が近づき三芳町で合併反対の票が多数になることを危惧した富士見市、上福岡市は合併後の市役所所在地を三芳町役場にして合併を成立させようとした。
一方で、最も消極的なのが、三芳町であった。それには以下のような理由があった。
- 町内に関越自動車道、川越街道(国道254号)が走り、物流倉庫や町工場からの固定資産税収入が潤沢である。
- マンション群にも区長制度を適用し、110年間培ってきた地域社会の枠組みを変えたくない。
- 人口の多い富士見市、上福岡市に飲み込まれてしまうのは嫌である。
2004年に実施された、2市2町の合併の賛否を問う住民投票の結果は以下の通りとなり、合併協議は破綻した。
- 富士見市(2000年国勢調査人口103247名)では、成立の上、賛成票が上回った。
- 上福岡市(2000年国勢調査人口54630名)では、賛成票が上回っていたものの、法定投票率に届かず不成立。
- 大井町(2000年国勢調査人口45488名)では、法定投票率に届かず不成立の上、反対票が上回っていた。
- 三芳町(2000年国勢調査人口35752名)では、成立の上、反対票が上回っていた。
合併を推進してきた議員たちは、合併はほぼ実現すると読んでいただけに、困惑の色を隠さなかった。と同時に、ほとんどが合併推進を断念した。当時の三芳町の林孝次町長は、実は私的に反対派の集会に足を運んでおり、反対が上回ったときには、「三芳町は独立独歩で行く」と単独市制実現を目指す意向を表明した。
上福岡市と大井町の合併
その後、改めて上福岡市と入間郡大井町とで合併協議が進められ、1市1町での合併が行われることとなった。新市名は、合併協議会に提案された新市名案の中から、合併協議会委員による投票で最多得票を得た「ふじみ野市」に決定した[1]。
なお、上福岡市と入間郡大井町の合併協議会で候補に挙がった他の新市名は、「大福市」「大井福岡市」「西さいたま市」「栄市」などであった[1]。
住所表記
上福岡市中央と大井町中央、上福岡市武蔵野と大井町大字武蔵野は重複する為、次のように町名が変更となった。
- 上福岡市中央1・2丁目→ふじみ野市福岡中央1・2丁目
- 入間郡大井町中央1~4丁目→ふじみ野市大井中央1~4丁目
- 上福岡市武蔵野→ふじみ野市福岡武蔵野
- 入間郡大井町大字武蔵野→ふじみ野市大井武蔵野
上記以外は下記の例のように変更となった。
- 例1:上福岡市大字福岡→ふじみ野市福岡
- 例2:上福岡市福岡1~3丁目→ふじみ野市福岡1~3丁目
- 例3:入間郡大井町大字大井→ふじみ野市大井
- 例4:入間郡大井町大井1・2丁目→ふじみ野市大井1・2丁目
人口
ふじみ野市と全国の年齢別人口分布(2005年) | ふじみ野市の年齢・男女別人口分布(2005年) | ||
■紫色 ― ふじみ野市
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 | ||
ふじみ野市(に相当する地域)の人口の推移 | |||
総務省統計局 国勢調査より |
注釈
- ^ 秩父地方を含めた埼玉県全体の東西の広がりでは中央に近いが、『埼玉県5か年計画 -希望・活躍・うるおいの埼玉- (平成29年度~平成33年度)』では県南ゾーンの南西部に区分けされている(p.158)。
- ^ 跡地はショッピングセンター ソヨカふじみ野を経て、2021年4月29日にトナリエ ふじみ野として再オープン
出典
- ^ a b 「新市名は「ふじみ野市」に決定」(PDF)『上福岡市・大井町 法定合併協議会だより』第3号、上福岡市・大井町 法定合併協議会、2-3頁、2005年2月1日 。2015年5月20日閲覧。
- ^ ふじみ野市とKDDI総合研究所との地域活性化を目的とした連携に関する包括協定締結についてふじみ野市/株式会社KDDI総合研究所(2018年11月22日)2018年12月29日閲覧。
固有名詞の分類
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