中論とは? わかりやすく解説

ちゅうろん【中論】

読み方:ちゅうろん

仏教書4巻竜樹(りゅうじゅ)の「偈頌(げじゅ)(根本中頌)」を青目(しょうもく)が注釈鳩摩羅什(くまらじゅう)が漢訳したもの竜樹初期の作とされ、因縁によって生じたものはすべて空であるとして、有無超えた空観による中道宣揚した書。中観(ちゅうがん)論。


中論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/01 16:06 UTC 版)

中論(ちゅうろん)、正式名称『根本中頌[注釈 1](こんぽんちゅうじゅ、: Mūlamadhyamaka-kārikā, ムーラマディヤマカ・カーリカー)は、初期大乗仏教の僧・龍樹(ナーガールジュナ)の著作である。インド中観派、中国三論宗、さらにチベット仏教の依用する重要な論書である。


注釈

  1. ^ 『根本中論頌』『根本中観頌』などとも。
  2. ^ 伝統的には龍樹自身による註釈(自註)と考えられてきたが、現在では否定されている。[4]
  3. ^ チベット仏教の最大宗派ゲルク派の祖であるツォンカパは、ブッダパーリタ(仏護)の『根本中論註』に強く影響を受け、重視していたことが知られている。

出典

  1. ^ 中村元『龍樹』、320-395頁。
  2. ^ 中村元『龍樹』、286-292頁。
  3. ^ 中論」『SAT大正新脩大藏經テキストデータベース』第30巻、東京大学大学院人文社会系研究科、No.1564、2018年https://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2015/T1564_.30.0000000:0000000.cit 
  4. ^ 斎藤明「無畏論』の著者と成立をめぐる諸問題」『印度學佛教學研究』第51巻第2号、2003年、869-863頁、NAID 130004027606 


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中論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/30 01:15 UTC 版)

空 (仏教)」の記事における「中論」の解説

『中論』は、勝義諦真諦)と世俗諦俗諦)という2種真理があるとする二諦説を述べる。前者直接認識された非相対的な世界であり、後者言語によって概念的に認識され相対的な世界である。言葉では表現できない釈迦の「さとり」は真諦であり、言葉表現され釈迦言葉集めた経典などは俗諦であるとされる。さらに、龍樹は「無自性空」から「中」もしくは中道」もほぼ同義語として扱い釈迦中道への回帰説いている。

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