電子レンズ

デジタル大辞泉

でんし‐レンズ【電子レンズ】

読み方：でんしれんず

電子線を磁界や電界を用いて屈折・集束させて像を結ばせる装置。電極や電磁石の極を組み合わせて作る。ブラウン管・オシロスコープ・電子顕微鏡などに利用される。

走査電子顕微鏡基本用語集

電子レンズ　electron lens

回転対称な磁界あるいは静電界を利用して、電子に対するレンズ作用を持たせたもの。一般のSEMでは磁界レンズが多く用いられているが、低加速電圧専用のSEMでは静電レンズが用いられる場合がある。また、減速法では、磁界レンズと静電レンズを重畳させた電磁界重畳レンズと呼ばれる対物レンズが使われている。

関連する用語

• 磁界レンズ
• 静電レンズ
• 減速法
• 電磁界重畳レンズ
• 対物レンズ

透過電子顕微鏡基本用語集

電子レンズ

【英】：electron lens

光学レンズが光束に対して作用するのと同様に、電子束に対して集束作用をするレンズをという。磁界形と電界形があり、前者を電磁レンズ、後者を静電レンズという。

関連する用語

• 電磁レンズ
• 静電レンズ

説明に「電子レンズ」が含まれている用語

• 5次球面収差
• クロスオーバポイント
• 位相コントラスト
• 最小錯乱円
• 電子レンズ

ウィキペディア

電子レンズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2014/09/29 03:04 UTC 版)

電子レンズ（でんしレンズ）とは、電磁界の作用を利用して電子線やイオンビームを収束させるレンズである。電子顕微鏡などで用いられる。

電場を用いて電子ビームを収束させる静電レンズ（電界レンズ）と、磁界を用いて電子ビームを収束させる磁界レンズ（電磁レンズ）が存在する。

電子レンズは電子線を収束させる凸レンズの作用のみであり、光学レンズで凹レンズの様に電子線を発散させる事が出来ない為、収差の除去には選択肢が限られる。

電子光学によると、回転対称を持つ電場や磁場は、近軸光線に対してレンズ作用を持つ。 また回転対称を持たない電場・磁場が作る円柱レンズを重ねたものを多極子レンズという。

電子レンズは光学レンズに比べて光学的な収差が大きい。さらに電磁場の不安定性に基づく収差も加わるため、顕微鏡用の電子レンズでは開口角を小さくする必要がある。

§静電レンズ

静電式電子レンズは多少の電源電圧の変動に耐える為、終戦後の電源電圧の安定しなかった時代に用いられた。一方、電源電圧が安定するようになると、電源電圧の影響を受けやすいが、性能の優れた電磁式電子レンズが主流となった。電磁式電子レンズの場合、磁場を強める事で電子線を収束させるので、静電式電子レンズに比べて電子顕微鏡に必要とされる特性が優れている。

§参考

エルンスト・ルスカの特許[1]の中に、電子レンズに関する特許が複数存在する。たとえば、[2], [3], [4], [5] 等を参照のこと。

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電子レンズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2021/11/20 08:32 UTC 版)

「電子線描画装置」の記事における「電子レンズ」の解説

静電偏向、電磁偏向により電子線を縮小または焦点合わせをする。

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「電子レンズ」の例文・使い方・用例・文例

• 電子レンズという,電子の流れを収束させる装置