命題関数とは? わかりやすく解説

命題関数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/24 06:10 UTC 版)

命題関数(めいだいかんすう、:Propositional function) とは、数理論理学において、各変数の変域と終集合とがそれぞれ「真な命題」と「偽な命題」のみから成る、集合に等しいような写像である。命題関数は真理関数でもある。

定義

命題関数を定義する為に次の 2 つの記号を用いる。

  1. 真な命題を表す記号 :
  2. 偽な命題を表す記号 :

L0 とだけから成る集合とし、D を固定された空でない 1 つの集合とする。そのとき、n 個の D の直積 から L0 への写像を n 変数の命題関数という。命題関数をまた述語性質条件ともいう。n 変数の命題関数をまた n関係ともいう。集合 D議論領域といい、D の各元を対象という。

議論領域 D自然数全体から成る集合に等しいとする。また、集合 L0 において、真理関数 ¬、∨ が定義されているとする。

D から L0 への写像 F を次の等式で定義すれば、F は 1 変数の命題関数となる。

D×D から L0 への写像 G を次の等式で定義すれば、G は 2 変数の命題関数となる。

2 項関係 R(n,m) をしばしば nRm と書く。従って、上の G(n,m)nGm と書いても良い。

D×D の各元 (n,m) に対して L0 の元 (¬G(n,m))∨G(n,m) を対応させれば、2 変数の 1 つの命題関数が得られる。

限定作用素

F(x) を 1 変数の命題関数とするとき、命題 ∀xF(x)∃xF(x) とは以下の等式で定義される。

∀x∃x をそれぞれ全称作用素存在作用素といい、それらをまとめて限定作用素という。∀、∃ をそれぞれ全称記号存在記号という。命題 ∀xF(x) は 「 全ての対象 x に対して F(x) が成り立つ 」 を意味し、命題 ∃xF(x) は 「 F(x) を満たす対象 x が ( 少なくとも 1 つ ) 存在する 」 を意味する。

議論領域 D は整数全体から成る集合に等しいとする。

1 変数の命題関数 F(n) を次の等式で定義する。

F(1) = は正しくないので、F(n) = 恒等式でない。よって、∀nF(n) = である。また、F(2) = は正しくないので、F(n) = は恒等式でない。よって、∃nF(n) = である。

関連項目

参考文献

  1. 前原昭二、復刊 数理論理学序説、共立出版株式会社、2010。

命題関数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/10 03:00 UTC 版)

概念記法」の記事における「命題関数」の解説

命題関数の発明第1章§9 関数)。「水素二酸化炭素より軽い」を表す式言語において,「水素」の代わりに酸素」あるいは「窒素」を代入することができる。そこで,「水素」を項,「二酸化炭素より軽い」を関数と呼ぶ。項Aの関数をΦ(A)のように書く。フレーゲは,それまで名辞主語-述語)で表されていた命題を,関数表したのである

※この「命題関数」の解説は、「概念記法」の解説の一部です。
「命題関数」を含む「概念記法」の記事については、「概念記法」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「命題関数」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「命題関数」の関連用語

命題関数のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



命題関数のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの命題関数 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの概念記法 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS