スプリンクラー灌漑
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 00:41 UTC 版)
スプリンクラー灌漑では、水をスプリンクラーで撒く。恒久的な配管にスプリンクラーを設置したものを「定置式」灌漑システムと呼ぶ。高圧で回転しながら散水するスプリンクラーをローターと呼び、完全に全周に散水するものと扇形に散水するものがある。スプリンクラーの中でも275から900kPaの高圧で水を噴射するものをスプレーガンなどと呼ぶ。その吐出量は毎秒3から76リットルで、ノズルの口径は10mmから50mmである。スプレーガンは灌漑だけでなく、清掃や伐採などにも使われる。 スプリンクラーには移動式のものもあり、ホースで水源とつなぐ。小規模の農地の灌漑だけでなく、運動場・公園・牧草地・無人の墓地などの散水にも使われる。水力またはなんらかのエンジンでホースを巻き取る装置(リールマシン)と組み合わせると、移動しながら散水させることができ、一般に完全に巻き取ったら停止するようになっている。逆にスプリンクラー装置をケーブルで引っ張って移動させる方式もあるが、やや古いテクノロジーであり、最近ではあまり見られない。 20世紀に入って米国のセンターピボットなど電動ポンプによる地下水汲み上げと散水設備による灌漑が行われるようになった。点滴灌漑に比べ設備投資資金が少なくてすみ、設備のメンテナンスも簡易であるが、灌漑用水は点滴灌漑の5倍消費する。
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