YIQ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 09:06 UTC 版)
YIQは、NTSCの内部処理で使用されるコンポーネント方式である。通常は外部には出力されず、機器内部で使用されるが、過去には松下電器が開発したMビジョンVTRが、テープにYIQ信号をコンポーネント記録していたという例もある。現在使用されている色差コンポーネント信号のクロマ成分(Cb,Cr)に対して33°回転した色相となり、I軸とQ軸は直交する。 人間の目がI軸(オレンジ-ライトブルー間)の変化には比較的敏感であるのに対して、Q軸(青紫-黄緑間)の変化には鈍感である性質を利用して、少しでも狭い帯域で、少しでも視覚的に良好な結果を得ようとした、設計上の選択によるものである。Y、I、Qに対する人間の目の分解能比は4:1.5:0.5と評価されており、RGB4:4:4信号をYIQ4:1.5:0.5に変換することで、人間の目には劣化が感じられないものの、伝送に必要な情報量を減らした信号を得ることができる。NTSCは、このYIQ信号を直角二相変調する。 欧州を中心に(米日及び米の影響が強い範囲以外で)使用されているPALは、クロマにIQ成分の代わりにUV成分を使う。これは現在使用されているCb,Cr(あるいはPb,Pr)成分に近いものであり、IQ方式とは色相が異なる。
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