XPBB (航空機)とは? わかりやすく解説

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XPBB (航空機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/10 03:45 UTC 版)

XPBB シーレンジャー

飛行するXPBB-1 3144号機
(1943年撮影)

XPBB シーレンジャーBoeing XPBB Sea Ranger )はボーイング社がアメリカ海軍向けに開発した飛行艇試作のみで量産はなされなかった。

愛称の「シーレンジャー (Sea Ranger)」は、海のレンジャーの意。

概要

1939年にアメリカ海軍は長距離洋上哨戒飛行艇の提案を各社に求めた。ボーイングはモデル344を提出し、試作することとなった。試作された機体はXPBB-1と命名され、海軍より試作発注が1940年6月29日に行なわれた。1941年10月には57機の量産発注がなされた。XPBBの「X」「PB」「B」はそれぞれ、試作機、哨戒爆撃機(Patrol Bomber)、製作社名(Boeing)という意味である。

XPBB-1は、レシプロエンジン双発の飛行艇であり、主翼は高翼配置で外翼部に固定式フロートを持つ。尾翼は通常配置。機首・機体後上部、尾部に12.7mm連装機銃を装備し、機体後部側面左右に12.7mm単装機銃を装備する。主翼はB-29向けのものを改設計して用いている。主翼内に爆弾を搭載するほか、主翼下に左右各1発の魚雷を搭載できた。

1942年7月9日に初飛行している。性能自体は良好であり、1943年には海軍へ引き渡された。しかしながら、アメリカ軍はPBBよりもB-29を重視した。ボーイングはPBB量産のためにレントンに海軍向け航空機工場 (現在のボーイング・レントン工場) を新設していたにもかかわらず、この工場は陸軍向けに振り替えられ、B-29の生産が行なわれることとなった。このため、PBBは試作機1機製造のみで生産が中止された。飛行試験自体は1945年1月まで続けられたものの1947年にスクラップにされた。

諸元

XPBB-1 三面図
XPBB-1
  • 全長:28.89m
  • 全幅:42.59m
  • 全高:10.42m
  • 翼面積:169.7m2
  • 自重:18,878kg
  • 最大離陸重量:45,968 kg
  • エンジン:ライト R-3350 星型レシプロエンジン(2,300馬力)2基
  • 乗員:10名(正操縦士・福操縦士・航法士・通信士・爆撃手・機銃手5名)
  • 武装:12.7mm連装機銃3基、12.7mm単装機銃2基、爆弾2,000ポンドまたは魚雷4発
  • 最大速度:345km/h
  • 航続距離:10,000km(航続時間最大72時間)
  • 実用上昇限度:6,830m

現存する機体

関連項目




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