トゥーズ・ミッシングとは? わかりやすく解説

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トゥーズ・ミッシング

(Two's Missing から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/13 13:58 UTC 版)

『トゥーズ・ミッシング』
ザ・フーコンピレーション・アルバム
リリース
録音 1964年-1971年
ジャンル ロック
時間
レーベル
ザ・フー アルバム 年表
  • トゥーズ・ミッシング
  • (1987年 (1987)
  • Who's Better, Who's Best
  • (1988年 (1988)
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トゥーズ・ミッシング』(Two's Missing)は、イングランドロックバンドであるザ・フーコンピレーション・アルバムである[1]。彼等が解散していた1987年にアメリカで発表された[注釈 1]

概要

経緯

本作はMCAレコードが1985年に発表したアルバム『フーズ・ミッシング』の続編に相当し、前編と同様に、シングルで発表されたアルバム未収録曲、未発表のスタジオ音源、ライブ録音が収録された。

内容

収録曲は1964年から1971年までの期間に録音された14曲で、オリジナルが6曲、カヴァーが8曲である。オリジナルの「マイ・ワイフ」のライブ録音、カヴァーの「ゴーイン・ダウン」、「モータリング」は、本作で初めて発表された。

オリジナル

未発表音源
アメリカでの未発表曲
  • ドッグス英語版 Dogs
    イギリスでは1968年6月14日にシングル発表され[3]、同年10月に発表された編集アルバム『ダイレクト・ヒッツ』に収録された。
  • ウォーター Water
    1970年に録音され、イギリスではシングル『5:15』(1973年)のB面に収録された[4]
アメリカでのアルバム未収録曲

カヴァー

未発表音源
  • ゴーイン・ダウン Goin' Down(Live)
    本作の「マイ・ワイフ」や『フーズ・ミッシング』に収録された「バーゲン」と共に、1971年12月13日、サンフランシスコのシビック・オーディトリウムで録音された[2]。原曲はドン・ニックスが1969年にプロデュ―スしたMoloch[12]のアルバム[13]に提供した楽曲(Going Down)で、フレディ・キングジェフ・ベック・グループなどに取り上げられた。
  • ヒート・ウェイヴ Heat Wave (Original version)
    同曲は1966年8月に録音されたものがセカンド・アルバム『ア・クイック・ワン』(1966年)に収録された[注釈 4]が、このOriginal versionは、1965年4月、ロンドンのIBCスタジオでタルミーのプロデュ―スによって録音された[14]。原曲はエディ・ホーランド英語版ブライアン・ホーランド英語版ラモント・ドジャー英語版が構成したアメリカのソングライター・チームであるホーランド=ドジャー=ホーランドの楽曲で、1963年7月にマーサ&ザ・ヴァンデラスが発表した。
  • モータリング Mortoring
    「ヒート・ウェイヴ」と同じく1965年4月の録音[14]。原曲はウィリアム・ "ミッキー" ・スティーヴンソン英語版作。スティーヴンソンとアイヴィ・ジョー・ハンター英語版のプロデュースでマーサ&ザ・ヴァンデラスによって録音され、1965年にシングルのB面に収録された[15]
アメリカでの未発表曲
  • アイム・ア・マン英語版 I'm a Man
    「ヒート・ウェイヴ」と同じく1965年4月の録音[14]。イギリスではデビュー・アルバムMy Generationに収録されたが、アメリカでのデビュー・アルバムThe Who Sings My Generationでは「サークルズ」改め「インスタント・パーティ」に差し替えられた[16]ボ・ディドリーが本名のエラス・マクダニエルの名義で作詞作曲し、ディドリーの名義で1955年に発表した。
  • ダディー・ローリング・ストーン Daddy Rolling Stone
    1965年4月12日から14日にかけて、ロンドンのIBCスタジオでタルミーのプロデュースにより行なわれたレコーディング・セッションで録音され[17]、同年5月21日にイギリスで発表されたシングル『エニウェイ・エニハウ・エニホエア[18][19]のB面に収録された。ニッキー・ホプキンス(ピアノ)が参加。原曲はアメリカのブルース・シンガーのオーティス・ブラックウェル英語版Daddy Rollin' Stoneで、彼が1953年に発表したデビュー・シングルのB面に収録された[20]
  • ラスト・タイム The Last Time (Mono)
  • アンダー・マイ・サム Under My Thumb (Mono)
    アメリカでの未発表録音。1967年6月に大麻所持の容疑で起訴されたミック・ジャガーキース・リチャーズを救援する目的で、6月28日にロンドンのデ・レーン・リー・スタジオ英語版で急遽録音された。新婚旅行中のジョン・エントウィッスルに代わってタウンゼントがベース・ギターを演奏した。「ラスト・タイム」をA面、「アンダー・マイ・サム」をB面に収録したシングルが6月30日にイギリスで発表された。
アメリカでのアルバム未収録曲
  • ボールド・ヘデッド・ウーマン Bold Headed Woman(Mono)
    1964年11月ロンドンのパイ・スタジオでタルミーのプロデュースにより録音され、同年12月にアメリカ、1965年1月にイギリスで発表されたシングル『アイ・キャント・エクスプレイン[21]のB面に収録された。作者が特定されていないブルースをタルミーが編曲したもので、彼がプロデュ―スしたキンクスデビュー・アルバム(1964年)で取り上げられていた。

収録曲

LP
Side One
# タイトル 作詞・作曲 録音年月日及び場所・プロデュ―サー・オリジナル 時間
1. 「ボールド・ヘデッド・ウーマン(Bald Headed Woman)」 Shel Talmy
  • 1965年3月、IBC スタジオ、ロンドン
  • シェル・タルミー
  • シングル『マイ・ジェネレーション』B面(1965年10月29日、1965年11月20日)
2. 「アンダー・マイ・サム(Under My Thumb)」 Mick Jagger, Keith Richard
  • 1967年6月29日、デ・レーン・リー・スタジオ、ロンドン
  • キット・ランバート
  • シングル『ラスト・タイム』B面(1968年6月30日)
3. 「マイ・ワイフ(My Wife)」(Live) John Entwistle
  • 1971年12月13日、シビック・オーディトリウム、サンフランシスコ
  • ザ・フー
  • 本アルバム
4. 「アイム・ア・マン(I'm a Man)」 Ellas McDaniel
5. 「ドッグス(Dogs)」 Pete Townshend
  • 1968年5月、アドビジョン・スタジオ、ロンドン
  • キット・ランバート
  • シングル『ドッグズ』A面(1968年6月14日)
6. 「ドッグズ・パート2(Dogs Part 2)」 Keith Moon, Towser, Jason
  • 1969年2月12日、IBC スタジオ、ロンドン
  • キット・ランバート
  • シングル『ピンボールの魔術師』B面(1969年3月7日、1969年3月22日)
7. 「サークルズ(Circles)」(Revised version) Townshend
  • 1966年1月、オリンピック・スタジオ、ロンドン
  • ザ・フー
  • シングル『恋のピンチ・ヒッター』(Reaction 591001)B面(1966年3月4日)
合計時間:
Side Two
# タイトル 作詞・作曲 録音年月日及び場所・プロデュ―サー・オリジナル 時間
1. 「ラスト・タイム(The Last Time)」 Jagger, Richard
  • 1967年6月29日、デ・レーン・リー・スタジオ、ロンドン
  • キット・ランバート
  • シングル『ラスト・タイム』A面(1968年6月30日)
2. 「ウォーター(Water)」 Townshend
  • 1970年3月頃、イール・パイ・スタジオ、ロンドン
  • ピート・タウンゼント
  • シングル『5.15』B面(1973年10月5日)
3. 「ダディー・ローリング・ストーン(Daddy Rolling Stone)」 Otis Blackwell
4. 「ヒート・ウェイヴ(Heat Wave)」(Original version) Lamont Dozier, Brian Holland, Eddie Holland
  • 1965年4月、IBCスタジオ、ロンドン
  • シェル・タルミー
  • 本アルバム
5. 「ゴーイン・ダウン(Goin' Down)」(Live) Don Nix
  • 1971年12月13日、シビック・オーディトリウム、サンフランシスコ
  • ザ・フー
  • 本アルバム
6. 「モータリング(Mortoring)」 Ivy Jo Hunter, Phil Jones, William "Mickey" Stevenson
  • 1965年4月、IBCスタジオ、ロンドン
  • シェル・タルミー
  • 本アルバム
7. 「ワスプマン(Waspman)」 Moon
  • 1972年8月7日、オリンピック・スタジオ、ロンドン
  • ザ・フー
  • シングル『奴等に伝えろ』B面(1972年12月22日、1972年11月25日)
合計時間:
CD
# タイトル 作詞・作曲 録音年月日及び場所・プロデュ―サー・オリジナル 時間
1. 「ボールド・ヘデッド・ウーマン(Bald Headed Woman)」(Mono) Shel Talmy
  • 1965年3月、IBC スタジオ、ロンドン
  • シェル・タルミー
  • シングル『マイ・ジェネレーション』B面(1965年10月29日、1965年11月20日)
2. 「アンダー・マイ・サム(Under My Thumb)」(Mono) Mick Jagger, Keith Richard
  • 1967年6月29日、デ・レーン・リー・スタジオ、ロンドン
  • キット・ランバート
  • シングル『ラスト・タイム』B面(1968年6月30日)
3. 「マイ・ワイフ(My Wife)」(Live) John Entwistle
  • 1971年12月13日、シビック・オーディトリウム、サンフランシスコ
  • ザ・フー
  • 本アルバム
4. 「アイム・ア・マン(I'm a Man)」 Ellas McDaniel
5. 「ドッグス(Dogs)」 Pete Townshend
  • 1968年5月、アドビジョン・スタジオ、ロンドン
  • キット・ランバート
  • シングル『ドッグズ』A面(1968年6月14日)
6. 「ドッグズ・パート2(Dogs Part 2)」(Mono) Keith Moon, Towser, Jason
  • 1969年2月12日、IBC スタジオ、ロンドン
  • キット・ランバート
  • シングル『ピンボールの魔術師』B面(1969年3月7日、1969年3月22日)
7. 「サークルズ(Circles)」(Revised version, mono) Townshend
  • 1966年1月、オリンピック・スタジオ、ロンドン
  • ザ・フー
  • シングル『恋のピンチ・ヒッター』(Reaction 591001)B面(1966年3月4日)
8. 「ラスト・タイム(The Last Time)」(mono) Jagger, Richard
  • 1967年6月29日、デ・レーン・リー・スタジオ、ロンドン
  • キット・ランバート
  • シングル『ラスト・タイム』A面(1968年6月30日)
9. 「ウォーター(Water)」 Townshend
  • 1970年3月頃、イール・パイ・スタジオ、ロンドン
  • ピート・タウンゼント
  • シングル『5.15』B面(1973年10月5日)
10. 「ダディー・ローリング・ストーン(Daddy Rolling Stone)」 Otis Blackwell
11. 「ヒート・ウェイヴ(Heat Wave)」(Original version) Lamont Dozier, Brian Holland, Eddie Holland
  • 1965年4月、IBCスタジオ、ロンドン
  • シェル・タルミー
  • 本アルバム
12. 「ゴーイン・ダウン(Goin' Down)」(Live) Don Nix
  • 1971年12月13日、シビック・オーディトリウム、サンフランシスコ
  • ザ・フー
  • 本アルバム
13. 「モータリング(Mortoring)」 Ivy Jo Hunter, Phil Jones, William "Mickey" Stevenson
  • 1965年4月、IBCスタジオ、ロンドン
  • シェル・タルミー
  • 本アルバム
14. 「ワスプマン(Waspman)」 Moon
  • 1972年8月7日、オリンピック・スタジオ、ロンドン
  • ザ・フー
  • シングル『奴等に伝えろ』B面(1972年12月22日、1972年11月25日)
合計時間:

参加ミュージシャン

※番号はCDのトラック・ナンバーを示す。

脚注

注釈

  1. ^ イギリスでは1988年に発表された。
  2. ^ タルミーによってプロデュ―スされた前者は、彼によって「インスタント・パーティ」(Instant Party)と改題され、1966年4月にデッカ・レコードが発表したアメリカでのデビュー・アルバム『ザ・フー・シングス・マイ・ジェネレーション』(The Who Sings My Generation)に収録された。
  3. ^ 1965年12月にブランズウィック・レコード英語版が発表したイギリスでのデビュー・アルバム『マイ・ジェネレーション』(My Generation)には、「サークルズ」ではなく、後述する「アイム・ア・マン」が収録されていた。
  4. ^ 1966年8月にロンドンのIBCスタジオで、マネージャーのキット・ランバートのプロデュ―スで録音された。

出典

  1. ^ thewho.com”. 2023年11月18日閲覧。
  2. ^ a b Neill & Kent (2007), p. 295.
  3. ^ thewho.com”. 2023年11月19日閲覧。
  4. ^ thewho.com”. 2023年11月18日閲覧。
  5. ^ thewho.com”. 2023年11月19日閲覧。
  6. ^ thewho.com”. 2023年11月19日閲覧。
  7. ^ thewho.com”. 2023年11月18日閲覧。
  8. ^ Neill & Kent (2007), p. 111.
  9. ^ Neill & Kent (2007), p. 115.
  10. ^ thewho.com”. 2023年11月19日閲覧。
  11. ^ thewho.com”. 2023年11月19日閲覧。
  12. ^ Discogs”. 2023年11月19日閲覧。
  13. ^ Discogs”. 2023年11月19日閲覧。
  14. ^ a b c Neill & Kent (2007), p. 78.
  15. ^ Discogs”. 2023年11月22日閲覧。
  16. ^ thewho.com”. 2023年11月22日閲覧。
  17. ^ Neill & Kent (2007), pp. 78–79.
  18. ^ thewho.com”. 2023年11月15日閲覧。
  19. ^ Discogs”. 2023年11月15日閲覧。
  20. ^ Discogs”. 2023年11月23日閲覧。
  21. ^ thewho.com”. 2023年12月2日閲覧。

引用文献

  • Neill, Andy; Kent, Matt (2007). Anyway Anyhow Anywhere: The Complete Chronicle of The Who 1958-1978. London: Virgin Books. ISBN 978-0-7535-1217-3 



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