テレビン油
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/04/04 14:29 UTC 版)
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| 識別情報 | |
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| ECHA InfoCard | 100.029.407 |
| EC番号 |
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PubChem CID
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| UNII | |
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CompTox Dashboard (EPA)
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| 性質 | |
| C10H16 | |
| モル質量 | 136.238 g·mol−1 |
| 外観 | 粘性液体 |
| 融点 | -55℃ |
| 沸点 | 154℃ |
| 20 mg/L | |
| 危険性 | |
| NFPA 704(ファイア・ダイアモンド) | |
| 引火点 | 35 °C (95 °F; 308 K) |
| 220[1] °C (428 °F; 493 K) | |
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特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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テレビン油(テレビンゆ、英: turpentine)は、マツ科の樹木のチップ、あるいはそれらの樹木から得られた松脂を水蒸気蒸留することによって得られる精油のこと[2]。松精油、テレピン油[2]ともいう。
英名turpentineからターペンタイン(ターペンチン)とも呼ばれ、テレビン油と同義とされることもある[3]。一方でターペンタインを松柏類の樹木から分泌されるバルサムの総称とし、これを蒸留して得られる油をテレビン油とする場合もある[4]。
分類
テレビン油は製法によっていくつかに分類されている[5]。
- ガム・テレビン油 - 松脂の水蒸気蒸留によって得られたもの。
- ウッド・テレビン油 - マツ科の樹木のチップを水蒸気蒸留あるいは乾留することで得られたもの。
- 硫酸テレビン油 - 硫酸塩パルプ製造時にチップを加熱処理した時に留出して得られたもの。
- 亜硫酸テレビン油 - 亜硫酸パルプ製造時にチップを加熱処理した時に留出して得られたもの。
品質的にはガム・テレビン油が最上とされているが、生産量が多いのは硫酸テレビン油である。
元々は地中海に生えるピスタチオの仲間、テレビンノキPistacia terebinthus の樹液を指していた。現在ではこれをマツ科の植物から採取するものと区別するために、サイプリアン・ターペンタイン等と呼ぶ。
性状・成分
ほぼ無色から淡黄色の液体で、亜硫酸テレピン油以外は主にα-ピネンとβ-ピネンを成分とする[2]。この2つの成分の比率や光学純度は原木の種類によって違いがある。亜硫酸テレピン油は、他のテレビン油と異なりp-シメンを主成分としている。空気中で徐々に酸化されて粘性が高くなり、やがて樹脂状となる。
用途
塗料やワニスなどの溶剤として利用されるほか、医薬品の成分としても用いられている[2]。化学工業においては、リナロールなど他のモノテルペン化合物の原料として使用されている。美術の分野では、油絵具の薄め液・画用液として用いられる。珍しいところではフランスが開発したロケットであるディアマンAの第一段エンジン用ロケット燃料として用いられた。
脚注
- ^ Record of Turpentine 労働安全衛生研究所(IFA)発行のGESTIS物質データベース
- ^ a b c d “テレビン油、テレピン油”. JLIA皮革用語辞典. 一般社団法人 日本皮革産業連合会. 2020年9月26日閲覧。
- ^ 林 良興「熱帯樹木の成分と利用(4)マツヤニ・天然樹脂(1)」『熱帯林業』第41巻、公益財団法人国際緑化推進センター、1998年、77-81頁。
- ^ 井上 吉之、三谷 四郎「ターペンタインの活性炭素並に硫黄添加蒸溜に就いて」『木材研究』第6号、京都大学、1951年、1-6頁。
- ^ 雨宮登三, 八田力二郎, 坂本四郎「α-ピネンの利用に就て」『燃料協会誌』第29巻第5号、日本エネルギー学会、1950年、121-125頁、doi:10.3775/jie.29.121、ISSN 0369-3775、 NAID 130004014943。
関連項目
- Turpentineのページへのリンク

