アクロイド殺し
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/31 23:09 UTC 版)
『アクロイド殺し』(アクロイドごろし、原題:The Murder of Roger Ackroyd)は、アガサ・クリスティが1926年に発表した長編推理小説である。クリスティ6作目の長編で、エルキュール・ポアロ・シリーズの3作目にあたる。本作は1925年7月16日から9月16日にかけて『ロンドン・イブニング・ニュース』紙に Who Killed Ackroyd? の題で54話の連載小説として掲載され、後にコリンズ社から1冊の単行本として出版された。
出版年 | タイトル | 出版社 | 文庫名等 | 訳者 | 巻末 | ページ数 | ISBN | カバーデザイン | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1929年 | アクロイド殺し | 平凡社 | 世界探偵小説全集 第18巻 | 松本恵子 | 425 | [注(一般書) 1] | |||
1939年6月16日 | 限りなき魅惑 | 紫文閣 | 赤木春之 | 336 | |||||
1950年 | アクロイド殺し | 雄鶏社 | おんどり・みすてりい | 松本恵子 | 341 | ||||
1955年 10月31日 | アクロイド殺し | 早川書房 | 世界探偵小説全集 No.224 (現「ハヤカワ・ポケット・ミステリ」) | 松本恵子 | 247 | ||||
1956年1月 | アクロイドを殺したのは誰か? | 大日本雄辯會講談社 | クリスチー探偵小説集 / ポワロ探偵シリーズ3 | 松本恵子 | 269 | ||||
1956年 | アクロイド殺害事件 | 東京創元社 | 世界探偵小説全集 14 | 大久保康雄 | 監修:江戸川乱歩ほか | 282 | |||
1957年 | アクロイド殺人事件 | 角川書店 | 角川文庫 赤502-1 | 松本恵子 [注(一般書) 2] | 訳者あとがき | 332 | 上原徹 | ||
1958年8月 第57刷改版1987年 | アクロイド殺人事件 | 新潮社 | 新潮文庫 135A, ク-3-1 | 中村能三 | 解説 中村能三 [注(一般書) 3] | 376 改版388 | 鈴木邦治、野中昇 | ||
1959年 5月20日 | アクロイド殺害事件 | 東京創元社 | 創元推理文庫 105-1 | 大久保康雄 | 426 | ||||
1960年 | アクロイド殺害事件・ ABC殺人事件 | 東京創元社 | 世界名作推理小説大系 9 | 大久保康雄 [注(一般書) 4] | 中島河太郎 | 512 | |||
1960年8月 | アクロイド殺害事件・ うぐいす荘事件・ 皇帝の嗅ぎ煙草入れ | 中央公論社 | 世界推理名作全集 6 クリスティー カー | 河野一郎 [注(一般書) 5] | 中島河太郎 | 511 | |||
1962年7月 | アクロイド殺害事件 | 中央公論社 | 世界推理小説名作選 | 河野一郎 | 中島河太郎 | 260 | |||
1962年 | アクロイド殺害事件・ ABC殺人事件・ ポアロ捜査ノート | 東都書房 | 世界推理小説大系 第13(クリスチー) | 原百代 [注(一般書) 6] | 解説:中島河太郎 | 302 | |||
1972年5月 | アクロイド殺害事件 | 講談社 | 世界推理小説大系 5[注(一般書) 7] | 原百代 [注(一般書) 8] | 365 | ||||
1974年 11月15日 | アクロイド殺害事件 | 講談社 | 講談社文庫BX 2-1 | 原百代 | 徳野雅仁 | 350 | |||
1979年 2月28日 | アクロイド殺し | 早川書房 | ハヤカワ・ミステリ文庫 1-45 | 田村隆一 | 解説:田村隆一 | 353 | 真鍋博 | ||
1984年5月 | エルキュル・ポアロ [注(一般書) 9] | 講談社 | 原百代 | 解説:「ポアロとクリスティーの横顔」数藤康雄 「アガサ・クリスティー著作リスト」各務三郎 | 493 | 4-06-203404-2 | |||
1998年10月 | アクロイド殺害事件 | 集英社 | 集英社文庫 「乱歩が選ぶ黄金時代ミステリーBEST10」シリーズ 6 | 雨沢泰 | 390 | 978-4087488340 | |||
2003年 | アクロイド殺し | 早川書房 | クリスティー文庫3 | 羽田詩津子 | 解説:笠井潔 | 440 | 4-15-130003-1 | Hayakawa Design | |
2004年 3月26日 | アクロイド殺害事件 [新版] | 東京創元社 | 創元推理文庫M-ク-2-1 | 大久保康雄 | 426 | 978-4488105433 | 装画:ひらいたかこ 装幀:小倉敏夫 | ||
2004年10月 | アクロイド殺害事件 | 嶋中書店 | 嶋中文庫 グレート・ミステリーズ 2 | 河野一郎 | 491 | 978-4861563119 |
- 脚注(一般書)
- ^ 「クラパムの料理女」「呪はれたる長男」「魔法の人」併録。
- ^ 現在、グーテンベルク21が電子書籍化している。
- ^ 改版時に「解説 海渡英祐」に差し替え。1981年に翻訳者の中村能三が亡くなっていたためその翻訳文の特徴について触れる。
- ^ 「ABC殺人事件」は堀田善衛訳。
- ^ 「皇帝の嗅ぎ煙草入れ」は中村能三訳。
- ^ 「ABC殺人事件」と「ポアロ捜査ノート」は堀内英子訳。
- ^ 「オリエント急行殺人事件」を併録。
- ^ 併録の「オリエント急行殺人事件」は久万嘉寿恵訳。
- ^ 数藤康雄=編、従来講談社文庫で発行されていたものの合本。「スタイルズ荘の怪事件」、「ゴルフ場殺人事件」、「アクロイド殺害事件」、「青列車の謎」、「オリエント急行殺人事件」、「ABC殺人事件」(アクロイドのみ原百代、それ以外は久万嘉寿恵の翻訳)を収録。
- ^ キャロラインは後のミス・マープルの原型であると、クリスティ自身が表明している。
- ^ メルローズ大佐は『チムニーズ館の秘密』と『七つの時計』、ハーリ・クィンものの短編『愛の探偵たち』にも登場する。
- ^ 日本では横溝正史の『蝶々殺人事件』『夜歩く』や高木彬光の『能面殺人事件』などで「事件の記述者=犯人」という形式が採用されている。
- ^ 第2項:作中の人物が仕掛けるトリック以外に、作者が読者をペテンにかけるような記述をしてはいけない。
- ^ 『江戸川乱歩全集22』に所収、講談社。
- ^ 『横溝正史読本』に所収、角川文庫。
- ^ 同作者の作品では他に、19位に『そして誰もいなくなった』、83位に『死が最後にやってくる』が選出されている。
- ^ 同作者の作品では他に、10位に『そして誰もいなくなった』、19位に『検察側の証人』、41位に『オリエント急行の殺人』が選出されている。
- ^ Christie, Agatha (1977). An Autobiography. Collins. p.342, ISBN 0-00-216012-9
- ^ 茅野美ど里訳『アクロイド殺人事件』、解説、pp.463-464、偕成社、1998年9月、ISBN 4-03-652350-3
- ^ Thompson, Laura (2007). Agatha Christie, An English Mystery. Headline. p.500, ISBN 978-0-7553-1487-4
- ^ 大久保康雄訳『アクロイド殺害事件』、解説(中島河太郎による)、pp.424-425、東京創元社、1959年5月20日初版・2004年3月26日新版初版、ISBN 4-488-10543-2
- ^ a b 大久保訳『アクロイド殺害事件』、解説(中島)、p.425
- ^ Stein Riverton, Jernvognen---Kriminalroman Kristiania, Forlagt H. Aschehoug & Co(W. Nygaard), 1909
- ^ 谷崎潤一郎「春寒」『谷崎潤一郎全集』 第22巻(愛読愛蔵版)、中央公論社、1997年12月1日、271-286頁。ISBN 978-4124010626。
- ^ 大久保訳『アクロイド殺害事件』、解説(中島)、p.423
- ^ 大久保訳『アクロイド殺害事件』、解説(中島)、pp.423-424
- ^ 瀬戸川猛資 『夜明けの睡魔 海外ミステリの新しい波』 東京創元社 創元ライブラリ、1995年5月28日、p.207、ISBN 4-488-07028-0
- ^ 瀬戸川猛資 『夜明けの睡魔 海外ミステリの新しい波』 東京創元社 創元ライブラリ、1995年5月28日、pp.209-211、ISBN 4-488-07028-0
- ^ 1971年の投票は『ゴルフ場の殺人』(創元推理文庫、1976年)巻末解説を、1982年の投票は乱歩が選ぶ黄金時代ミステリーBEST10 (6)『アクロイド殺害事件』(集英社文庫、1998年)巻末解説を、各参照。
- ^ “RESULTS OF WORLD'S FAVORITE AGATHA CHRISTIE GLOBAL VOTE”. THE HOME OF AGATHA CHRISTIE. AGATHA CHRISTIE LIMITED (2015年12月22日). 2024年3月24日閲覧。
- ^ 黒井戸殺し - とれたてフジテレビ、フジテレビジョン、2018年2月15日閲覧。
- 1 アクロイド殺しとは
- 2 アクロイド殺しの概要
- 3 本作のトリック
- 4 作品の評価
- 5 関連書籍
Weblioに収録されているすべての辞書からアクロイド殺しを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書からアクロイド殺しを検索
- アクロイド殺しのページへのリンク