SARSとMERSのワクチン開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 03:42 UTC 版)
「COVID-19ワクチン」の記事における「SARSとMERSのワクチン開発」の解説
2003年時点、鳥類感染性気管支炎ウイルス (infectious bronchitis virus) 、犬コロナウイルス、猫コロナウイルスなど、コロナウイルスによって引き起こされるいくつかの動物の病気に対してワクチンは製造されていた。ヒトに影響を与えるコロナウイルス科のウイルスに対するワクチンを開発するための以前のプロジェクトは、重症急性呼吸器症候群(SARS)と中東呼吸器症候群(MERS)を対象としていた。SARS およびMERS に対するワクチンは、ヒト以外の動物でテストされている。 2005年と2006年に発表された研究によると、SARSを治療するための新しいワクチンと医薬品の特定と開発は、当時の世界中の政府と衛生行政機関にとって優先事項だった。2020年の時点で、ヒトのSARSに対して安全で効果的であることが証明されている治療法や予防ワクチンは無い。 MERSに対し確立されたワクチンも存在しない。MERSが普及したとき、既存のSARS研究は、MERS-CoV感染に対するワクチンと治療法を開発するための有用なテンプレートを提供する可能性があると考えられていた。2020年3月現在、ヒトでの第I相臨床試験を完了した(DNAベースの)MERSワクチンが1種、その他3種のワクチンが進行中であり、いずれもアデノウイルスベクター型2種(ChAdOx1-MERS、BVRS-GamVac)、MVAベクター型1種(MVA-MERS-S)である。
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