S/N比とシグナルサイズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 16:45 UTC 版)
「膜電位感受性色素」の記事における「S/N比とシグナルサイズ」の解説
このような測定システムで膜電位変化を測定する場合、信号対雑音比 (SN比) は深刻な問題となる。一般に、光学測定は雑音とartifactとの戦いであるといわれる所以でもある。実際の測定では次のような雑音が問題となる。 (1) ショット雑音、 (2) detector内の暗電流による雑音、 (3) 光源の光量の変動による雑音、 (4) 電気回路、シールディング、周辺光による雑音、 (5) 被検体の微小な動きによる雑音。 この中で、(3)〜(5)のような外来性の雑音はその発生源を点検して除去することができるが、ショット雑音は光電子発生の確率的な不規則性により、これが光電流自体の雑音となったもので、これを除くことはできない。なお、CCDカメラなどでは、素子の冷却によりS/N比が向上することが知られているが、これは1つの画素に流れる光電流が小さく、光電流を電圧に変換する回路にある抵抗のジョンソンノイズが問題になる場合に有効な方法である。膜電位変化の光学的測定では、1つの画素に少なくとも10 nAオーダーの光電流が流れる条件でないと定量解析可能なシグナルが得られないため、光電流の平方根に比例して増大するショット雑音に比べ、ジョンソンノイズは無視出来るほど小さいものとなる。したがって、冷却してもS/N比はほとんど向上しない。
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