QDAソフトにおけるNVivoの位置付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/11 10:14 UTC 版)
「NVivo」の記事における「QDAソフトにおけるNVivoの位置付け」の解説
現在流通している代表的なQDAソフトとしてはNVivo、atlas.ti、MAXQDAがある。 社会学者の樋口麻里は「質的調査法の教育におけるQDA ソフトウェア利用」において、NVivo11、MAXQDA12、Atlas.ti7の3ソフトを比較している。そこでは「Atlas.ti7はグラウンデッド・セオリー・アプローチのように、抽象度の低いコードを細かくデータに振っていくという作業を重視していると考えられた。NVivo 11はコーディング作業画面の特徴に加えて、コードの主要な整理機能として、コードを樹状図の形でまとめ、上位/下位のコードというように階層化して分類する方法を採用していることから、NVivo11には理論的枠組みに従ってコードを演繹的にデータにふる方法が適していた。MAXQDA12は、データの細かな文脈を反映した抽象度の低いコードから分析を進めることを重視するAtlas.ti7と、抽象度が高いコードをデータにふり、データの分類に力を入れるNVivo11の中間に位置するソフトウェアと考えられる」と述べている。 また、樋口は「質的データ分析支援ソフトウエアの機能と背景にある考え方」において、「NVivoには、データを多様な角度から俯瞰して、データの全体的特徴を把握することをより重視していた。その考え方は、データの分類を目的とするコーディング機能に表れており、コードを階層化して概念を作成する方法に適合的であった。また、コーディング機能を概念の構築手段としてのみ捉えるのではなく、量的データとの関連づけや自動コードにも使用することで、ミックスド・メソッド・アプローチやテキストデータの計量的な分析など、より多様な方法への対応が目指されていた。」とも述べている。
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