Niagara Riverとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Niagara Riverの意味・解説 

ナイアガラ川

(Niagara River から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/25 13:54 UTC 版)

ナイアガラ川
ナイアガラ滝
延長 58 km
平均流量 5,796 m³/s
流域面積 684,000 km²
水源 エリー湖
水源の標高 174 m
河口・合流先 オンタリオ湖
流域 カナダアメリカ合衆国
テンプレートを表示

ナイアガラ川(ナイアガラがわ、Niagara River)は、五大湖エリー湖からオンタリオ湖へ流れる河川である。五大湖・セントローレンス川水系の一部をなしている。また、アメリカ合衆国ニューヨーク州カナダオンタリオ州の国境線・州境線を形成している。途中にはナイアガラ滝がある。「ナイアガラ」の語源については、ナイアガラの滝#語源と歴史を参照されたい。

概要

「海峡」と記されることもある全長58kmのナイアガラ川は、エリー湖オンタリオ湖の間の地峡を分かつように流れている。エリー湖の起点とオンタリオ湖の河口とには99mの標高差がある。地峡にはナイアガラ崖線英語版が通っており、ケスタ地形を形成している。ナイアガラ滝はナイアガラ川がケスタの急崖にさしかかったところに形成されたが、12,000年にわたる侵食により、滝は崖線より11km上流に移り、滝から崖線までの間に渓谷が形成された。

川の落差は水力発電に利用されている。古い発電所はジョン・モルガンなどの出資で1895年8月26日に運転を始めた。

新しいものだとカナダ側には1922年および1954年に、アメリカ合衆国側には1961年水力発電所が設置された。これらの水力発電所は合計4.4GWの電力を生産している。また、これらの水力発電所のダムができたことにより、ナイアガラ滝下流における侵食のペースは大きく抑えられた。

ナイアガラ川の主要な支流としてはトナワンダ川英語版ウェランド川英語版の2本が挙げられる。トナワンダ川はエリー運河の一部になっている。エリー運河はナイアガラ川の中洲であるグランド島英語版の近くを起点とし、ニューヨーク州北部を東西に横断してハドソン川へと通じている。一方、ウェランド川はウェランド運河の一部になっている。ウェランド運河はナイアガラ滝を回避してエリー湖とオンタリオ湖の間に船を通すことができるようにつくられた閘門式運河である。

ナイアガラ川の左岸(西岸)はカナダ、右岸(東岸)はアメリカ合衆国の領土になっている。エリー湖の起点付近にはニューヨーク州第2の都市バッファローが位置している。ナイアガラ滝の両側にはオンタリオ州ナイアガラフォールズとニューヨーク州ナイアガラフォールズの双子都市が形成されている。ナイアガラ滝は中洲のゴート島英語版でアメリカ滝とカナダ滝の2つに分かれているが、ゴート島そのものはアメリカ合衆国側にある。

ナイアガラ川にはブランディングガメミズウミチョウザメ英語版などの絶滅危惧種フエコチドリ英語版を含む水鳥が生息しているため、2019年にアメリカ合衆国のラムサール条約登録地となった[1]。また、ナイアガラ滝からジョージア湾ヒューロン湖本体の間にあるブルース半島まで伸びるナイアガラ崖線は1990年に「ナイアガラ崖線生物圏保護区英語版」としてユネスコ生物圏保護区に指定された[2]

歴史

ナイアガラ川の周辺はフレンチ・インディアン戦争独立戦争米英戦争などの戦場となった。起点近くのエリー砦(カナダ側)、河口近くのジョージ砦(カナダ側)やナイアガラ砦(アメリカ合衆国側)といった砦はそういった戦争において重要な役割を果たした。これらの砦は、現在では史跡・公共緑地となっている。

南北戦争以前は、ナイアガラ川は南部から逃亡してきた黒人奴隷にとってはオハイオ川と並んで重要な意味を持っていた。南部の奴隷州から逃亡してきた奴隷を自由の身としてくれるのがオハイオ川であるならば、さしづめこのナイアガラ川は彼らの自由を保障する川であった。オハイオ川を渡って北岸の州、特にオハイオ州にたどり着いた奴隷は地下鉄道によってさらに北へと秘密裏に逃亡を続け、カナダを目指した。南部の農園主がカナダから奴隷を連れ戻すことは禁じられていたからである。オンタリオ州南部には、こうした逃亡奴隷が住み着いて形成されたコミュニティがいくつもある。

一方、ナイアガラ崖線とナイアガラ滝は長い間、水上交通の阻害要因であった。古くは、ナイアガラ滝をはさんで連水陸送のための道路が用意されていた。貨物を船から降ろし、陸路で輸送した上で別の船に積むための拠点として、カナダ側にクイーンストンとチッパワの村(現ナイアガラフォールズ市内)があった。1825年にエリー運河が、1829年ウェランド運河が開通すると、ナイアガラ滝を避けてエリー湖ハドソン川の間、またエリー湖とオンタリオ湖の間に船を通すことができるようになり、大西洋とエリー湖が2本の水上交通路で結ばれた。ウェランド運河はその後3回ルート変更がなされ、1932年に開通した第4運河が現在使用されている。

1918年浚渫作業を行っていた鉄製のが流出して難破。滝から約600m上流の国境付近の岩に引っかかり100年以上の間、姿をさらすこととなった。2019年10月31日、強風と豪雨のため艀が回転するように移動、カナダ滝に近づいたことが確認されている[3]

主な島

  • ゴート島英語版
  • グリーン島
  • スリーシスターズ諸島英語版
  • ネイビー島
  • グランド島英語版 - ナイアガラ川最大の島
  • バックホーン島
  • カユガ島英語版
  • トナワンダ島
  • モーター島
  • リトルビーバー島
  • ストロベリー島英語版
  • ユニティ島

脚注

  1. ^ Niagara River Corridor | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2019年12月20日). 2023年2月25日閲覧。
  2. ^ Niagara Escarpment Biosphere Reserve, Canada” (英語). UNESCO (2018年10月). 2023年2月25日閲覧。
  3. ^ ナイアガラの滝の難破船、101年間で初めて動く 強風と豪雨の影響”. CNN (2020年11月3日). 2020年5月14日閲覧。

外部リンク


「Niagara River」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Niagara River」の関連用語

Niagara Riverのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Niagara Riverのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのナイアガラ川 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS