Metalclad事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/20 10:23 UTC 版)
「投資家対国家の紛争解決」の記事における「Metalclad事件」の解説
アメリカ法人Metalclad社は、既にメキシコ連邦政府およびサン・ルイス・ポトシ州から廃棄物処理施設を建設する許可を得ていたメキシコ法人COTERIN社を買収した。しかし、グアダルカサル(Guadalcazar)市民が建設反対運動を起こしたため、市は建設許可を市から得ていないとして建設中止命令を出した。これによって操業停止に追い込まれたMetalclad社はICSIDに提訴した。仲裁廷は、連邦政府による環境影響調査で環境に影響する可能性が低く適切な技術をもって施設を建設すれば埋立場に適していると評価されていたこと、メキシコの国内法では地方政府に本件の許認可権がないにもかかわらず地方政府が国内法に違反して連邦政府の許可を取り消したこと、連邦政府が許可した際に地方政府に許認可権がないことを会社に説明したにも関わらず連邦政府が地方政府の違法行為を事実上黙認したこと等を理由として、メキシコ行政府の対応に透明性が欠如し、国際法に違反していると認定して、NAFTA第1105条(公正衡平待遇義務)と第1110条(間接収用)の違反を認定し、メキシコ政府に賠償を命じた。ただし、Metalclad社の賠償請求額のうちの一部は投資財産との因果関係がないとして減額された。
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