MHLとは? わかりやすく解説

MHL

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/03 07:03 UTC 版)

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MHL(モバイル・ハイデフニション・リンク、Mobile High-definition Link)は、米Silicon Image社が開発した携帯機器向けの高速映像伝送用のインターフェース規格である。

概要

MHL 1.0は、非圧縮なまま 1080p/30fps の動画データを3端子で伝送でき、実際には5ピンタイプは5端子を持つマイクロUSBコネクタを流用する。HDMI 同様、遷移時間最短差動信号伝送方式(TMDS)を使用して1対の信号線により動画映像情報と音声情報を最大2.25Gbit/secで伝送する。また、差動対の片側1本により制御信号を送る。MHL 2.0 は 1080p/60fps の画像転送(HDMI 1.0の帯域)が出来る。MHL 3.0 は 2160p/30fps の転送(HDMI 1.3の帯域)が出来る。

マイクロUSBコネクタを使う事で、携帯機器側に映像出力専用のレセプタクルを設けずにUSBコネクタを共用するため小型化を阻害せずに済み、同時にMHL親機からUSB本来の電源端子へ電源を供給する事が出来る。制御信号によりHDMIのCEC機能[注 1]のような制御の実現が可能になる。

2012年現在は主にスマートフォンで採用されている。MHLの直接接続に対応するディスプレイや液晶ハイビジョンテレビは2012年7月現在ではまだ少なく、使用するにはHDMIに変換するアダプターを使用する必要があり、また変換アダプターに電源を接続する必要もある。HDMIに加えMHLにも対応しているディスプレイや液晶ハイビジョンテレビでは、接続にもよるが接続中にそのまま携帯電話を充電する事も出来る。

2015年にUSB Type-CコネクタをサポートしたsuperMHLが追加されている。superMHLは40Wの電力供給と8K/120fpsをサポートした。MHL 3.0の上位互換規格になっている。しかしUSB Type-CではMHLを使わずともオルタネートモードでDisplayPortHDMIを直接伝送出来るようになったため、USB Type-CでMHLに対応する機器は少ない。

技術比較

Micro USBとMHL(5ピン)の端子機能の比較[1]
信号端子 端子の機能
Micro USB MHL
No.1 電源(VBUS) 電源(USBのVBUS)
No.2 差動対(D-) 差動対(-)
No.3 差動対(D+) 差動対(+)とクロック信号
No.4 "USB OTG"のID識別 制御信号(CBUS)
No.5 接地 接地

MHL 1.0 はテレビ側から 5V/0.5A、MHL 2.0 は 5V/0.9A、MHL 3.0 は 5V/2A 供給できる。

脚注

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注釈

  1. ^ Consumer Electronics Controlの略。HDMIで接続された機器間で連携動作を可能にしている。

出典

  1. ^ 根津禎著 『モバイルを目指す 次世代インターフェース 第2部』 日経エレクトロニクス2009年2月23日号 49頁

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