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コスモクロア(Kosmochlor)

コスモクロア
Taw Maw Mine,Pakan,Katin,Myanmar(Burma)
NaCrSi2O6 標本の幅約7cm

日本でも発見され新聞載った鉱物
コスモクロアは日本語で「宇宙輝石の意味綺麗な緑色特徴です。
標本中の色の濃い部分がコスモクロア。

コスモクロア輝石

(Kosmochlor から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/10 08:38 UTC 版)

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コスモクロア輝石
分類 ケイ酸塩鉱物
化学式 NaCrSi2O6
結晶系 単斜晶系
モース硬度 6
光沢 ガラス光沢
濃緑色
比重 3.6
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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コスモクロア輝石(コスモクロアきせき、kosmochlor)は単斜輝石の一種である。ユレーアイト(ureyite)とも呼ばれる。

化学組成はNaCrSi2O6であり、翡翠輝石NaAlSi2O6アルミニウムクロムに置換したものに相当する。名称は、この鉱物が隕石から初めて発見されたことに因み、「宇宙の緑」を意味する。

発見

1965年、学術誌サイエンスに、鉄隕石中に顕微鏡サイズの鮮やかなエメラルドグリーンの新鉱物が存在することが発表された[1]

1984年地球上にもコスモクロア輝石が存在することが判明し、それはビルマ(ミャンマー)産のモウシシ(maw-sit-sit)と呼ばれる濃緑色のヒスイ中にあった[2]

その後1996年日本において、岡山県の大佐山のヒスイからコスモクロア輝石が発見され[3]、翌年1997年には糸魚川市姫川産のヒスイ中にコスモクロア輝石が発見された[4]。しかし、これらよりも古く1978年に姫川産の鮮緑色の鉱物を益富壽之助が鑑定依頼を受け、その鉱物をユレーアイトと同定していたが、論文発表されることはなかった[5][6]。このときの鮮緑色の鉱物が1997年に発表されたものであった。

特徴

産出は比較的稀であるがヒスイに伴って産出することが多い。緑色ヒスイの発色原因は、一部はこのコスモクロア輝石成分による。緑色はオンファス輝石の鉄分による発色のものもある。純度の高いコスモクロア輝石は、緑色が濃く肉眼には黒っぽく見える[7]

結晶は単斜晶系に属し、空間群C2/c、クロムイオン Cr3+ はアルミニウムイオン Al3+ よりもイオン半径がやや大きいため、結晶の格子定数はヒスイ輝石の a = 9.418Å、b = 8.562Å、c = 5.219Å、β= 107.58°よりもやや大きく a = 9.550Å、b = 8.712Å、c = 5.273Å、β= 107.44°である[8][9]

脚注

  1. ^ Frondel, C. and Klein, C.J.R., Science, 149, 742–744(1965).
  2. ^ Yang, C.M.O., Amer. Mineral., 69, 1180–1183.(1984).
  3. ^ 阪本志津枝,高須 晃 「三郡変成帯大佐山超苦鉄質岩体に産する kosmochlor の化学組成とその成因」、1996年
  4. ^ 阪本志津枝,高須 晃 「青海—蓮華帯青海地域のひすい輝石岩からのコスモクロアの発見」 地質學雜誌,103, 1093-1096 (1997)
  5. ^ 宮島宏 『とっておきのひすいの話』 フォッサマグナミュージアム、2004年
  6. ^ 糸魚川市 フォッサマグナミュージアム
  7. ^ 堀秀道 『楽しい鉱物図鑑②』 草思社、2003年
  8. ^ Mineral Data jadeite.pdf
  9. ^ Mineral Data kosmochlor.pdf

関連項目



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