ケプラー90hとは? わかりやすく解説

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ケプラー90h

(Kepler-90h から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 15:50 UTC 版)

ケプラー90h
Kepler-90h
太陽系とケプラー90系の惑星の軌道と大きさの比較
星座 りゅう座
分類 太陽系外惑星
発見
発見日 2013年10月22日(第一発見報告)
2014年7月2日(確定公表)[1]
発見者 ケプラーチーム
発見場所 ケプラー宇宙望遠鏡
発見方法 トランジット法
現況 公表
軌道要素と性質
軌道長半径 (a) 1.01 ± 0.11 au[2]
離心率 (e) ~0
公転周期 (P) 331.60059 ± 0.00037 日[2]
軌道傾斜角 (i) 89.6 ± 1.3 °[2]
通過時刻 JD 2453973.49631 ± 0.00082[2]
ケプラー90の惑星
位置
赤経 (RA, α)  18h 57m 44.04s
赤緯 (Dec, δ) +49° 18′ 18.6″
距離 2500 光年
(765 pc)
物理的性質
直径 14万3984 km
半径 11.3 ± 1.0 M[2]
(1.008 ± 0.089 RJ)
質量 < 1.2 MJ[3]
(< 381 M)
平均密度 1.46 g/cm3
表面重力 29.3 m/s2
脱出速度 65.0 km/s
平衡温度 292 K[要出典]
他のカタログでの名称
KOI-351.01[4], KOI-351h[4], KIC 11442793h[4], 2MASS J18574403-4918185h[4]
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ケプラー90h(英語:Kepler-90h)とは地球からりゅう座の方向に約2500光年離れたところにある太陽よりやや大きいG型主系列星ケプラー90公転している8つの太陽系外惑星の内のひとつである。ケプラー宇宙望遠鏡は恒星面を惑星が通過することで恒星の光度がわずかに減光し、その減光から惑星の存在を間接的に検出するトランジット法で発見した。

特徴

物理的特徴

大きさの比較
木星 ケプラー90h

ケプラー90hは表面が岩石から構成されていない巨大ガス惑星である。質量は木星の1.2倍[3]、半径は1.01倍であり[2]、木星より若干大きい程度で、木星と非常に似た系外惑星である。

軌道

ケプラー90hはケプラー90から1.01AUの距離を331.6日かけて公転している[2]

居住性

ケプラー90hはケプラー90のハビタブルゾーン内に位置する。半径が1.01 RJであり地表が岩石質であるためには大きすぎるため、この惑星自体は居住性が低いと考えられている。もしこの惑星が衛星を持ち、衛星の大気の状況や大気圧などが十分にあれば液体の水が存在し、生命が進化している可能性がある。しかし、このような衛星は惑星周囲に形成されるものではなく、遠くから捕獲されたものである。木星型惑星はふつう木星のガリレオ衛星や土星のタイタンのような大きさの衛星を持つとされる。これらの衛星は自身の大気や磁場を保持することが可能であると考えられており、現にタイタンは大気が地球よりも厚く、ガニメデは磁場を持っている。

衛星が安定した軌道をとる場合、衛星の惑星に対する公転周期Psと惑星の恒星に対する公転周期Ppの間では

ケプラー90系と太陽系の比較。ケプラー90hは一番右側にある惑星で系内では最も大きい。

2009年、NASAのケプラー宇宙望遠鏡は恒星面のトランジットを検出する光度計の運用を終了した。最終調査においてはKepler Input Catalog(KIC)に登録された50000もの恒星が観測され、その中にはケプラー90も入っていた。系外惑星の候補がある恒星の観測は2009年5月13日から2012年3月17日まで行われた。ケプラー90系の惑星のトランジットの観測が終了した後、現在のケプラー90hによるトランジットは331日ごとに起こっていることが発覚し、最終的に系外惑星であると結論づけられた。この発見は2013年10月22日に提出され、2014年7月2日にarXivで公表された後、2014年7月26日にアストロノミカルジャーナルで公表された[1]

脚注

  1. ^ a b Schmitt, Joseph R. et al.. “Planet Hunters. VI. An Independent Characterization Of KOI-351 And Several Long Period Planet Candidates From The Kepler Archival Data*”. The Astrophysical Journal 148 (2): 11. arXiv:1310.5912. Bibcode2014AJ....148...28S. doi:10.1088/0004-6256/148/2/28. 
  2. ^ a b c d e f g h i Cabrera, J.; Csizmadia, Sz.; Lehmann, H.; Dvorak, R.; Gandolfi, D.; Rauer; Erikson, A.; Dreyer, C. et al. (2014年1月20日). “The Planetary System to KIC 11442793: A Compact Analogue to the Solar System”. The Astrophysical Journal (1): 13. arXiv:1310.6248. doi:10.1088/0004-637X/781/1/18. 
  3. ^ a b Santerne, A. et al. (2016). “SOPHIE velocimetry of Kepler transit candidates. XVII. The physical properties of giant exoplanets within 400 days of period”. Astronomy & Astrophysics 587: 43. arXiv:1511.00643. Bibcode2016A&A...587A..64S. doi:10.1051/0004-6361/201527329 . 
  4. ^ a b c d KOI-351 h”. NASA Exoplanet Archive. NASA Exoplanet Science Institute. 2020年5月1日閲覧。
  5. ^ Kipping, David (2009). “Transit timing effects due to an exomoon”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 392: 181–189. arXiv:0810.2243. Bibcode2009MNRAS.392..181K. doi:10.1111/j.1365-2966.2008.13999.x. 
  6. ^ Heller, R. (2012). “Exomoon habitability constrained by energy flux and orbital stability”. Astronomy & Astrophysics 545: L8. arXiv:1209.0050. Bibcode2012A&A...545L...8H. doi:10.1051/0004-6361/201220003. ISSN 0004-6361. 
  7. ^ a b Andrew J. LePage. “Habitable Moons:What does it take for a moon — or any world — to support life?”. SkyandTelescope.com. 2011年7月11日閲覧。
    ※リンク切れ
  8. ^ Glatzmaier, Gary A.. “How Volcanoes Work – Volcano Climate Effects”. 2019年10月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月1日閲覧。
  9. ^ Solar System Exploration: Io”. Solar System Exploration. NASA. 2020年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月1日閲覧。
  10. ^ Nave, R.. “Magnetic Field of the Earth”. 2020年4月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月1日閲覧。
  11. ^ Fraser Cain (2008年9月15日). “Temperature of the Sun”. Universe Today. 2020年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月1日閲覧。
  12. ^ Note for Planet Kepler-90 h”. The Extrasolar Planets Encyclopaedia (2019年9月7日). 2020年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月1日閲覧。

関連項目

外部リンク




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