IC50と親和性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/24 06:05 UTC 版)
チェン=プルソフ式によればIC50と親和性は少なくとも競争するアゴニストと拮抗剤の間では関連があると言えるが、IC50は親和性を示す直接的な指標ではない。 K i = I C 50 1 + [ S ] K m {\displaystyle K_{i}={\frac {IC_{50}}{1+{\frac {[S]}{K_{m}}}}}} ここで、Ki は阻害物質の結合親和性、 IC50は阻害物質の機能的強度、[S]は基質の濃度、Kmは酵素活性が最大値の半分となる時の基質の濃度である(Kmはしばしば基質の酵素に対する親和性と混同されるが誤りである)。 その他に、細胞受容体に対する阻害定数については以下の式で表わされる。 K i = I C 50 [ A ] E C 50 + 1 {\displaystyle K_{i}={\frac {IC_{50}}{{\frac {[A]}{EC_{50}}}+1}}} ここで [A] はアゴニストの固定濃度、EC50は受容体の最大活性の半分を生じさせるアゴニストの濃度である。ある化合物のIC50値は放射性リガンドの濃度に依存して実験毎に変化しうるが、Kiは絶対的な値である。Kiは薬物の阻害定数であり、放射性リガンドが存在しないならば、競合試験において受容体の50%を占める競合リガンドの濃度となる。 チェン=プルソフ式は高いアゴニスト濃度においてよい推定値を与えるが、低いアゴニスト濃度では、Kiを実際より高くあるいは低く見積もる。これらの条件では、その他の解析法が推奨されている。
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