HTLV-1の感染
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 09:31 UTC 版)
「成人T細胞白血病」の記事における「HTLV-1の感染」の解説
HTLV-1感染者の体液中にウイルス粒子が検出されず、伝播にはHTLV-1感染細胞が他者の体内に入ることが必要である。このためHTLV-1の感染力は極めて弱い。感染経路は、母子感染と男女間の水平感染である。母子感染では母乳を介した伝播が主なものである。水平感染では性交渉で起こりやすい。かつては輸血による感染も認められたが、1986年以降は血液製剤に対するHTLV-1スクリーニング検査が行われており、輸血による感染の危険性は無い。稀な伝播経路として臓器移植が挙げられる。 キャリアの母親による母乳保育が継続された場合、児の約20%がキャリア化するとされる。一方、これを人工栄養へ切り替えることによって、母子感染は防げる。性交による感染は通常、精液に含まれるリンパ球を通じての男性から女性への感染である。個体内でのHTLV-1増殖の場は、主にリンパ節であると考えられている。リンパ節で増殖したATL細胞が血液中に流出すると、特徴的なATL細胞が末梢血で見られるようになる。
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