G1期からの移行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 09:28 UTC 版)
「G1期からS期への移行」の記事における「G1期からの移行」の解説
G1期の中盤から終盤にかけて、Cdk4/6に結合したサイクリンDはS期サイクリン-Cdkの構成要素の発現を活性化するが、S期サイクリンがG1期のうちに活性化されることは望ましくない。そのため、阻害因子であるSlc-1がS期サイクリン-Cdk二量体と相互作用し、S期への移行の準備が整うまで不活性状態に維持している。細胞が成長してDNAを合成する準備が整うと、G1期サイクリン-CdkはS期サイクリン阻害因子をリン酸化し、ユビキチン化を引き起こす。阻害因子のユビキチン化はSCF/プロテアソームによる分解のシグナルとなり、分解の結果S期サイクリン-Cdkは遊離して活性化され、細胞はS期へ移行する。S期に入ると、サイクリン-CdkはDNA複製複合体のいくつかの因子をリン酸化し、複製複合体からの阻害タンパク質の離脱や複製開始を誘導する構成要素の活性化を引き起こすことでDNA複製を促進する。
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