地層圧
【英】: formation pressure
地層の孔隙{こうげき}内に存在する流体の圧力で、間隙圧(pore pressure)、流体圧(fluid pressure)、地層流体圧(formation fluid pressure)、地層間隙圧 (formation porepressure)ともいわれ、DST あるいはプロダクション・テストのシャットイン時の圧力(坑底圧)測定や物理検層時の RFT 検層機による圧力測定で地層圧が測定される。地表から対象深度までの地層水による静水圧力に相当する地層圧を持つ地層を正常圧層(normal pressure zone)という。静水圧勾配{せいすいあつこうばい}は地層水の密度に関連しており、地域によって異なるが、大部分の地域では約 0.43 ~ 0.48psi/ft(=0.099 ~ 0.111ksc/m)の範囲である。ある対象深度の地層圧が、地層水の静水圧力より高い地層を異常高圧(abnormal pressure, abnormal formation pressure, geopressure, overpressure, superpressure などといわれる)層、低い地層を異常低圧(sub-normalpressure, subnormal formation pressure などといわれる)層という。異常高圧層は、坑井掘削時に暴噴などの掘削障害を起こす原因となるので、その検知が掘削前および掘削中の重要なチェック項目の一つになっている。異常高圧層形成の原因としては、地層が急速に堆積{たいせき}するなどして圧密が順調に進まず、孔隙内の流体が十分排出されない状態(アンダーコンパクションの状態)で埋没していくと、地層の荷重増加の一部が孔隙内の流体で支えられることになり、深度の割に高孔隙―高流体(地層)圧の状態になるという考えが一般的である。異常高圧層の特徴はこのように深度の割に地層圧、孔隙率が大きいことで、それより派生することとして、岩石比重が小さいこと、音波速度が小さいこと、水飽和率が大きいこと、機械的強さが低いことなどがあり、これらの特性を利用して、地震探鉱、削井および物理検層データから異常高圧層の検知が行われている。 |

地層圧 Formation Pressure
- Formation Pressureのページへのリンク