Erno Dohnanyi

ピティナ・ピアノ作曲家事典

ドホナーニ

【英】：Dohnanyi, Erno

[ハンガリー]  1877～1960

執筆者： 菊池　朋子

趣味でチェロを弾いていた父に音楽の手ほどきを受け、ピアノ、作曲をブダペスト王立音楽院（後のリスト高等音楽学校）で学んだ。後に同校の教授、校長となり、19～44年にはブダペスト･フィルハーモニー協会主席指揮者も務め、ハンガリーの音楽界に大きな功績を残した。同時にハンガリーを含むヨーロッパの政治的動乱を経験しており、第2次世界大戦およびナチによって二人の息子を失っている。49年からアメリカ合衆国に移住し、ニューヨークで息を引取った。

バルトーク、コダーイと同時代の音楽家であり、ハンガリーの民謡や伝統的音楽を作品の素材に取入れているが、彼らほど直接ハンガリー的特徴は現れていない。最も影響を受けた作曲家はブラームスであり、ロマンティックな作風が特徴。ピアノ作品はいずれも中味が濃く、技巧的にも充実しているものが多い。ドイツ的重厚さにあふれた作品がある一方で独特の魅力的リズムを登場させる作品もあり、弾き応え、聴き応えともに十分備わっていると言えるだろう。

ピアノ独奏曲

曲集・小品集  [ピアノ独奏曲]

4つのピアノ曲／4 Klavierstücke Op.2／1896-97

4つの狂詩曲／4 Rhapsodien Op.11／1902-03[28'30"]

3つの小品／Three Pieces Op.23／1912

ハンガリー牧歌／Ruralia Hungarica Op.32a／1923-25[28'0"]

6つの小品／Six pieces Op.41／1945

冬の輪舞（10曲のバガテル）／Winterreigen(10 Bagatellen) Op.13／1905[31'30"]

練習曲  [ピアノ独奏曲]

6つの演奏会用練習曲／6 Etudes de concert Op.28／1916[20'0"]

変奏曲  [ピアノ独奏曲]

きらきら星の主題による変奏曲／Variationen über ein Kinderlied Op.25／1913

ハンガリー民謡による変奏曲／Variations on a Hungarian Folk Song Op.29／1917[12'0"]

変奏曲とフーガ／Variations and Fugue Op.4／1897

組曲  [ピアノ独奏曲]

古風な組曲／Suite im alten Stil Op.24／1913

3つの風変わりな小品／Three Singular Pieces Op.44／1951

種々の作品  [ピアノ独奏曲]

ガヴォットとミゼット　変ロ長調／Gavotte and Musette 1898

組曲の形式によるユモレスク／Humoresken in Form einer Suite Op.17／1907

ピエレットのヴェール／Der Shileier derPierrette Op.18／1908-1909

パッサカリア／Passacaglia Op.6／1899

ピアノ合奏曲

曲集・小品集  [ピアノ合奏曲]

ワルツ／Walzer Op.3／

組曲  [ピアノ合奏曲]

組曲　嬰へ長調／Suite fis-moll Op.19／1908-1909

ワルツの組曲／Suite en valse Op.39a／1945

室内楽

ピアノと弦楽器  [室内楽]

ピアノ五重奏曲　第1番　ハ短調／Quintett fur Klavier und Streichquartett No.1 Op.1／1895[27'30"]

ピアノ五重奏曲　第2番／Piano Quintet No.2 Op.26／1914

管弦楽とピアノ

協奏曲  [管弦楽とピアノ]

ピアノ協奏曲　第1番　ホ短調／Konzert für Klavier und Orchester Nr.1 Op.5／1897-98[45'30"]

ピアノ協奏曲　第2番　ロ短調／Konzert für Klavier und Orchester Nr.2 Op.42／1946-47[31'0"]