ESCRT-0
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/30 15:41 UTC 版)
ESCRT-0複合体は、ユビキチン化されたタンパク質や細胞表面の受容体に結合して密集することで、多胞体の形成に重要な役割を果たす。その後複合体はエンドソームの膜脂質への結合を担い、これらタグ付けされたタンパク質をエンドソームへリクルートする。適切な局在化が行われると、これらのタンパク質は小胞を介してエンドソームへ取り込まれて多胞体を形成し、最終的にリソソームへ運ばれて分解される。この経路は、ゴルジ体を通過した傷害タンパク質の分解の主要な経路である。 ESCRT-0複合体は、Vps27とHse1が1:1で結合したヘテロ二量体である。Vps27とHse1は逆平行コイルドコイルを形成するGATドメインを介して二量体化する。Vps27とHse1の双方がN末端にVHSドメイン(英語版)を持っている。これらのVHSドメインは、細胞が分解しようとするタンパク質に付加されたユビキチンに結合する。また、ユビキチンはHse1に1つ、またはVps27の両側面にそれぞれ存在するユビキチン相互作用モチーフにも結合する。Vps27には、VHSドメインとユビキチン相互作用モチーフに挟まれてFYVEドメイン(英語版)が存在する。エンドソームの一般的な脂質であるホスファチジルイノシトール-3-リン酸は、このFYVEドメインに結合してESCRT-0をエンドソームへリクルートする。
※この「ESCRT-0」の解説は、「ESCRT」の解説の一部です。
「ESCRT-0」を含む「ESCRT」の記事については、「ESCRT」の概要を参照ください。
- ESCRT-0のページへのリンク