Consolatio ad Liviam (リウィアへの慰め)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 08:06 UTC 版)
「オウィディウス」の記事における「Consolatio ad Liviam (リウィアへの慰め)」の解説
「コンソラティオ」は息子ネロ・クラウディウス・ドルーススを亡くしたアウグストゥス帝の妻、リウィア・ドルシッラを慰める内容のエレギーア韻律で作られた長詩である。詩は冒頭、リウィアに悲しみを隠そうとはせぬよう勧め、ドルーススの勲をその死と対比する。そして、ドルーススの葬儀と皇帝一家への賛辞、彼の最後の瞬間と母リウィアがその亡骸に覆いかぶさって嘆くさまを描写する。ドルーススのむくろは鳥に譬えられる。ローマ市の嘆きの声が彼の葬列に向けられる。神々への言及があり、軍神マールスは神殿からテベレ川に対して、悲しみから立ち昇る火葬の炎を消してしまうのはやめよと命じる。 悲しみはドルーススの軍功、その妻、その母のために表される。詩人はリウィアにティベリウス帝に慰めを見出すように具申する。詩の締めくくりは亡きドルーススがリウィアに、自らはエリシウムへ行くよう運命づけられていると述べて終わる。本作は「マエケーナースに捧げるエレギーア詩集」(Elegiae in Maecenatem、「ウェルギリウス補遺」の一巻)に関連付けられていたこともあったが、今では同詩集との関連はないものと考えられている。いつごろ作られた作品かは不明であるが、ティベリウス帝が目立つように詠われていることから、同皇帝の治世下で詠まれた歌という説がある。
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