CBCL
別名:子どもの行動チェックリスト
英語:Child Behavior CheckList
子供の問題行動を定量的に評価するためのチェックリスト(質問紙)、あるいはそれを用いた調査手法。米国の心理学者、トーマス・アッケンバックによって開発された「ASEBA」というシステムの一つである。信頼性の高い手法として、60か国語以上の言語に翻訳され、世界的に広く用いられている。
CBCLへの記入は、子供に身近な保護者などの人物によって行われる。CBCLには子供の行動などに関する100項目以上の質問項目が記載されており、記入者が質問に回答したのち、個々の質問に対して予め決められた得点が加算される。得点が高いほど、問題行動を起こす傾向が強いと見なされる。
また、質問内容は大きく分けて外向的尺度、内向的尺度の2つの尺度を評価するものとなっており、外向的尺度が高いと「非行的行動」や「暴力的行動」、内向的尺度が高いと「ひきこもり」「身体的訴え」「不安/抑うつ」などの傾向が高いと判断される。
2014年に厚生労働省のグループは、東日本大震災の被災児童に対して、CBCLを用いた調査を行ったところ、被災3県の4人に1人の児童が何らかの問題行動を起こし、精神的なケアを必要とすることが明らかになったと発表した。
関連サイト:
ASEBAに関して - スペクトラム社
東日本大震災被災地の小児保健医療に関する調査研究 - 東北大学医学部小児科
子どもの行動チェックリスト
(Child Behavior Checklist から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/02 06:21 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動子どもの行動チェックリスト(こどものこうどうチェックリスト、Child Behavior Checklist, CBCL)は、子供の問題行動を測定するために広く用いられている尺度であり[1][2]、トーマス・M・アッケンバック (Thomas M. Achenbach) が開発したアッケンバック実証に基づく評価システムを構成するものの1つである。
回答者は、対象の子供をよく知っている親などの保護者である。別の尺度として、教師用(Teacher's Report Form, TRF)と自己評価用(Youth Self Report, YSR)がある。また、尺度は就学前後で分けられ、1歳半から5歳までが対象のCBCL1.5-5と、6歳から18歳までが対象のCBCL6-18の2種類がある。CBCLは子供の生活における感情的、行動的、社会的側面を測定するための重要な尺度であり、注意欠陥・多動性障害、反抗挑戦性障害、行為障害、小児うつ病、分離不安障害、小児期の恐怖症、社交不安障害、特定の恐怖症、その他小児期から青年期までの様々な行動と感情の問題の診断に用いられる。
チェックリストは子供の行動に関する項目で構成される(例:行動が年齢より幼すぎる)。回答はリッカート尺度で記録し、0=あてはまらない、1=やや又は時々あてはまる、2=よく又はしばしばあてはまる、とする。就学前のものは100項目、就学後のものは120項目である。
類似する項目は問題行動ごとにまとめられ(例:攻撃的行動)、その合計が下位尺度得点として求められる。いくつかの下位尺度についてはさらに合計し、内向尺度と外向尺度の得点となる。また、全項目の合計による総得点も得られる。各下位尺度および総得点について、表を用いることで正常域、境界域、臨床域のいずれかが示される。この区分は標準サンプルの分位数に基づくものである。
出典
- ^ Achenbach, T.M., & Rescorla, L.A. (2000). Manual for the ASEBA Preschool forms and Profiles. Burlington, VT: University of Vermont Department of Psychiatry. ISBN 0-938565-68-0
- ^ Achenbach, T.M., & Rescorla, L. A. (2001). Manual for the ASEBA School-Age Forms and Profiles. Burlington, VT: University of Vermont, Research Center for Children, Youth, and Families. ISBN 0-938565-73-7
外部リンク
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