ブラックスター (デヴィッド・ボウイのアルバム)とは? わかりやすく解説

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ブラックスター (デヴィッド・ボウイのアルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/19 15:34 UTC 版)

ブラックスター(★)
デヴィッド・ボウイスタジオ・アルバム
リリース
録音 マジック・ショップ・スタジオ
ヒューマン・ワールドワイド・スタジオ
ジャンル ロック
アート・ロック
ジャズ
レーベル ISO
プロデュース デヴィッド・ボウイ
トニー・ヴィスコンティ
チャート最高順位
デヴィッド・ボウイ アルバム 年表
ザ・ネクスト・デイ
2013年
ブラックスター
2016年
トイ
(2021年)
『ブラックスター』収録のシングル
  1. 「★ (ブラックスター)」
    リリース: 2015年11月19日
  2. 「ラザルス」
    リリース: 2015年12月17日
  3. 「アイ・キャント・ギヴ・エヴリシング・アウェイ」
    リリース: 2016年4月6日
ミュージックビデオ
「Blackstar」 - YouTube
「Lazarus」 - YouTube
「I Can't Give Everything Away」 - YouTube
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ブラックスター(★)』は、デヴィッド・ボウイによる28枚目にして最後のスタジオアルバム。

概要

ISOレーベル[1][2]からボウイの69回目の誕生日にして、彼が亡くなる2日前である1月8日にリリースされた[3][4] [5]

本作ではダニー・マッキャスリンやジェイソン・リンドナーなど、ジャズ・バンドであるマリア・シュナイダー・オーケストラのメンバーが参加しており、ジャズの要素を取り入れた世界観となっている。

なお、タイトルトラックである「★(Blackstar)」はシングルとして2015年の11月19日に先行して発表されており[6]、テレビドラマ「The Last Panthers」のオープニング曲に使用された。また、このアルバムからの2つ目のシングルである「Lazarus」は2015年の12月17日にデジタルダウンロードでリリースされ、また同日に BBC Radio 6におけるSteve Lamacq の音楽番組においてワールドプレミアが行われた[7]

アルバムは批評家からの高評価と、母国・イギリスアメリカ(自身初[8])など数か国で首位を獲得するといったセールスの面の両方で成功している[9]

背景と録音

前作『The Next Day』の場合と同様に、レコーディングはニューヨークのThe Magic Shopと[10]Human Worldwide Studios[11]において完全な秘密裏に行われた。このアルバムの収録曲のデモ制作は前作の完成後から直ちに行われた。 アルバムに収録された楽曲群で事前に発表されていた2曲、「Sue (Or in a Season of Crime)」 と「'Tis a Pity She Was a Whore」はこのアルバムのために新たに録音されている。この新たな録音の内「'Tis a Pity She Was a Whore」では後半のサックスのパートがボウイ自身の演奏するものから、新しくダニー・マッキャスリンが録音したものに置き換えられている[12]。 マッキャスリンとその他のジャズミュージシャンたちは、それぞれのパートを2015年の1月から3月にかけて、1か月に1週間の割合で録音していった。また、彼らはボウイの病については気付いていなかったという[13]

今作のプロデューサーであるトニー・ヴィスコンティによれば、このアルバムはケンドリック・ラマーの2015年のアルバム『To Pimp a Butterfly』と、エレクトロニック・ミュージック・デュオであるボーズ・オブ・カナダ、実験的なヒップホップ・トリオのデス・グリップスの影響を受けているという[14][15]。 ヴィスコンティはまた、このアルバムがボウイにとってのスワンソング、つまり、彼のファンのための生前最後の贈りものであったとも語っている[16][17][18]ビルボードCNNの両方の記事によれば、この作品におけるボウイの詞作には差し迫った自身の死に対する思案が見て取れるのであり[19] [20]、さらにCNNによればこの作品は「自身の死の運命と組み合った男の姿に、思いを巡らした作品 ("reveals a man who appears to be grappling with his own mortality") 」だという[19]

アルバムでは2曲目にあたる「'Tis a Pity She Was a Whore」のタイトルは、イギリスの17世紀の劇作家ジョン・フォードの演劇『あわれ彼女は娼婦』(原題:'Tis Pity She's a Whore)に由来すると見られている[21]

このアルバムのためのアートワークのデザインは、以前にも『Heathen』『Reality』そして『The Next Day』でボウイと組んだジョナサン・バーンブルックが制作した。このアルバムのジャケットは、真っ白な背景に、大きな黒い星印が真ん中に飾られ、そして下部に星印のパーツによって「B O W I E」を表したと思われるマークによって構成されている[22] 。 レコード版はこれとは別に、カバーの星型にカットされた部分からレコードがのぞくというものになっている。なお、アルバムのジャケットにボウイ自身が登場しないのは、『The Man Who Sold The World』のアメリカ版と、『The Buddha of Suburbia』のイギリス版を除いては初のことである。

収録曲は発売と同時に全曲がYouTubeに公式アップロードされている。また、デジタル配信版にはこのうちBlackstarのビデオが附属している。

収録曲

#タイトル作詞・作曲時間
1.「★ (ブラックスター)」(★ (Blackstar)) 
2.「ティズ・ア・ピティ・シー・ワズ・ア・ホア」('Tis a Pity She Was a Whore) 
3.「ラザルス」(Lazarus) 
4.「スー(オア・イン・ア・シーズン・オブ・クライム)」(Sue (Or in a Season of Crime)) 
5.「ガール・ラヴズ・ミー」(Girl Loves Me) 
6.「ダラー・デイズ」(Dollar Days) 
7.「アイ・キャント・ギヴ・エヴリシング・アウェイ」(I Can't Give Everything Away) 
合計時間:

地域ごとのリリース

地域
日付
形式
レーベル 参照
イギリス  2016年1月8日 [23][24][25]
アメリカ合衆国 [26][27][28]

参照

  1. ^ David Bowie Confirms New Album Blackstar Coming in January”. Pitchfork. 2015年10月26日閲覧。
  2. ^ Details of David Bowie's 25th album 'Blackstar' revealed”. NME. 2015年10月26日閲覧。
  3. ^ David Bowie announces new album Blackstar for January release”. BBC News. 2015年10月26日閲覧。
  4. ^ David Bowie confirms 25th album will be released in January 2016”. The Guardian. 2015年10月26日閲覧。
  5. ^ Watch ★ video teaser online now”. Davidbowie.com. 2015年11月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月13日閲覧。
  6. ^ https://www.amazon.com/gp/product/B0184MM29W/
  7. ^ David Bowie: 7 Things We Already Know About His 2016 Album 'Blackstar'”. NME. 2015年10月26日閲覧。
  8. ^ デヴィッド・ボウイ、遺作アルバムでついに全米首位達成
  9. ^ Reviews for Blackstar by David Bowie”. Metacritic. 2015年12月27日閲覧。
  10. ^ Holland, Eric (2016年1月6日). “Producer Tony Visconti Talks David Bowie and Blackstar”. 2016年1月12日閲覧。
  11. ^ Blackstar (album liner notes). David Bowie. ISO Records. 2016.
  12. ^ Fusilli, Jim (2016年1月5日). “‘Blackstar’ Review: Ziggy Stardust Plays Jazz”. The Wall Street Journal. 2016年1月6日閲覧。
  13. ^ Coscarelli, Joe; Paulson, Michael David Bowie Allowed His Art to Deliver a Final Message” (2016年1月11日). 2016年1月12日閲覧。
  14. ^ "New David Bowie album, inspired by Kendrick Lamar, features LCD's James Murphy".
  15. ^ David Bowie's new album 'Blackstar' inspired by rap group Death Grips - NME.COM
  16. ^ "David Bowie's last release, Lazarus, was 'parting gift' for fans in carefully planned finale".
  17. ^ Tim Jonze Was David Bowie saying goodbye on Blackstar? - the Guardian
  18. ^ How David Bowie told us he was dying in the 'Lazarus' video- NME.COM
  19. ^ a b David Bowie's haunting final album hints at death”. CNN. 2016年1月12日閲覧。
  20. ^ David Bowie's Final Album 'Blackstar' & 'Lazarus' Video Were Goodbye Notes”. Billboard. 2016年1月12日閲覧。
  21. ^ "The Inside Story of David Bowie's Stunning New Album, 'Blackstar", rollingstone.com, 23 November 2015
  22. ^ "Bowie, Barnbrook and the ★ artwork".
  23. ^ "Blackstar by David Bowie".
  24. ^ "Blackstar by David Bowie". iTunes Great Britain.
  25. ^ "Blackstar [VINYL] by David Bowie".
  26. ^ "Blackstar by David Bowie". iTunes.
  27. ^ "David Bowie - Blackstar".
  28. ^ "David Bowie - Blackstar (Vinyl)".


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