BackTrackとは? わかりやすく解説

バックトラック‐ほう〔‐ハフ〕【バックトラック法】

読み方:ばっくとらっくほう

《backtrackは引き返すの意》ある与えられ問題の解を求める際、候補となる解を列挙し効率的網羅的正しい解を探索するアルゴリズム計算途中で求める解が得られない場合最後まで計算せず、別の手順試行するバックトラッキング後戻り法


BackTrack

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/23 15:00 UTC 版)

BackTrack Linux
開発者 Mati Aharoni, Devon Kearns, Offensive Security
OSの系統 Linux (Debian)、(Ubuntu)
開発状況 開発終了
ソースモデル FLOSS
最新安定版 5 R3 / 2012年4月13日
プラットフォーム x86(IA-32)x64ARMアーキテクチャ
カーネル種別 モノリシックカーネル
既定のUI KDEGNOMEFluxbox
ウェブサイト https://www.backtrack-linux.org/
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BackTrack Linux(バックトラックリナックス)は、ペネトレーションテスト目的に特化した1DVD型のLinuxディストリビューションの一つである。

歴史

BackTrack Linuxの歴史は、Whoppix(Whitehat knoppix)まで遡る。

Whoppix

KNOPPIX派生版

KNOPPIX 系統樹

WhoppixはKNOPPIX派生1CD Linuxである。Red HatをもじったBlack Hat、さらにそれらをもじったWhite Hatを冠していることから判るように、WhoppixはWhiteサイドのセキュリティ関連、つまりはペネトレーションテスト目的の1CD Linuxであり、同分野の中ではかなり古い部類に入る。日本ではハッカージャパン[1]などのようにコンピュータ雑誌にも取り上げられており、この分野ではよく知られるものである。

SLAX派生版

2005年7月、Whoppixは3.0をリリースする際に、SLAXを母体としてWhaxという名前に変更されている。

Auditor Security Collection

他方、Auditor Security Collectionは、KNOPPIX派生の1CD Linuxであり、Auditor(監査人)から判るようにこちらもペネトレーションテスト目的のものである。Auditorというメニューの下に、セキュリティ関連のツールを階層的に設けることで、ペネトレーションテストツールを整理した形でユーザーに提供している。

BackTrack 誕生

こうした、いわゆる競合関係にある、1CD Linuxペネトレーションテスト目的のディストリビューション2つが融合する形で出来上がったものが、BackTrackである。初期は1CDであった。

BackTrack Linux 4 betaが登場する段階でCDサイズに収まらなくなったため、1DVD化されている。なお、BackTrack Linux 4 betaからはUbuntu 8.10を母体としている。

2013年3月、BackTrack Linuxから後継版のKali Linux派生した。

特徴

上述の通り、ペネトレーションテストを目的としたものである。特記すべき機能や特徴としては、以下のようなものが挙げられる。

メニュー形式でのツール選択
前述のように、Auditor Security Collectionを先祖の一つとしており、その機能の一つであるセキュリティ関連ツールを分類してユーザーに提供する機能が、BackTrack Linuxにも設けられている。バージョンが上がるたびに、新しい技術への追従などの理由からメニュー構成を変えている。メニュー構成については以降の節で詳述する。
ネットワークツールの収録
Wireshark、Ettercap(LANベースの中間者攻撃ツール)、nmapなどが搭載されている
無線ネットワークへの対応
Kismet、RFMONモードへの対応

メニュー形式でのツール選択

以下は、4.0 betaのメニュー構成である。

  • Information Gathering - DNS Enumなどの情報収集ツール
    • Archive
    • DNS
    • Route
    • Searchenghine
  • Network Mapping
    • Identify Live Hosts - ネットワーク越しのホスト生存確認
    • OS-Fingerprinting - OSを特定するためのツール
    • Portscanning - ポートスキャン
    • Service Fingerprinting - Webサーバの挙動からサーバの種類とバージョンを特定するhttprintなどの、サービス特定ツール
    • VPN
  • Vulnerability Identification
    • Cisco
    • Database
    • Fuzzers
    • SMB Analysis
    • SNMP Analysis
    • Web Analysis
    • Saint Exploit
  • Penetration
  • Privilege Escalation - 権限昇格系のツール
    • Password Attacks - パスワード解析ツール
    • Sniffers
    • Spoofing
  • Maintaining Access
  • Radio Network Analysis - 無線ネットワーク関連のツール
  • VoIP
  • Digital Forensics
    • File Carving - ファイル救済ツール
    • Forensic Analysis
    • Image Aquiring
  • Reverse Engineering
  • Miscellaneous - その他のツール

リリース

日付 リリース 備考
2006年3月26日 BackTrack 1.0 Final ベータ版でない初期のバージョンである。KNOPPIX派生であった。
2006年10月13日 BackTrack2 Public Beta
2007年3月6日 BackTrack 2 Stable release
2007年12月14日 BackTrack 3 Beta
2008年6月19日 BackTrack 3 Final
2009年2月11日 BackTrack 4 Beta Release このバージョンよりDVD化される。また、Debian派生となる。Kernel 2.6.28.1
2009年6月19日 BackTrack 4 Pre Release Kernel 2.6.29.3
2010年1月11日 BackTrack 4 Final Release Kernel 2.6.30.9
2010年8月5日 BackTrack 4 R1 Release Kernel 2.6.34
2010年11月22日 BackTrack 4 R2 Release USB 3.0をサポート。Kernel 2.6.35.8
2011年5月10日 BackTrack 5 Release Kernel 2.6.38
2011年8月18日 BackTrack 5 R1 Release Kernel 2.6.39.4
2012年3月1日 BackTrack 5 R2 Release Kernel 3.2.6
2012年8月13日 BackTrack 5 R3 Release
2013年3月13日 Kali 1.0 Release

派生版

Debian 系統樹

Debianテスト版の派生品一覧に掲載。

配布版 説明
Kali Linux BackTrackから派生した1DVDタイプの後継版。ペネトレーションテスト目的に特化していることが特徴。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ ハッカージャパンの2004年11月号から2005年7月号にかけて、WhoppixやKnoppix-STDなど、同分野の特集記事が何度か設けられていた。また、2005年3月号にはWhoppix 2.6 SP-1が付録されている。

参考文献

  • ハッカージャパン
    • 2009年3月号 - 特集記事「総力特集 いちばんわかりすいハッキングツールの使い方」(BackTrack 3がツール群のベースとして特集されている)。

外部リンク

関連項目


バックトラック

(BackTrack から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/14 14:37 UTC 版)

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