BMIと平均余命の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 09:09 UTC 版)
「ボディマス指数」の記事における「BMIと平均余命の関係」の解説
喫煙しない米国の白人男性(左)及び白人女性(右)のBMIごとの10年後の相対的死亡リスク。BMI:20-24.9が最も死亡リスクが低い 喫煙しないアメリカ合衆国の白人男性及び白人女性のBMIごとに、10年後の相対的死亡リスクについては、右図のように、BMI:20-24.9が最も死亡リスクが低い。 日本肥満学会では、BMI: 22の体重を標準体重(統計的に最も病気にかかりにくい体重)としている。 例えば、肥満と糖尿病は関連があり、40 - 59歳の男性で、糖尿病が強く疑われる人の割合は、BMI18.5 - 22で5.9%、BMI22 - 25で7.7%、BMI25 - 30で14.5%、BMI30以上で28.6%であった。なお、加齢を重ねていない20-39歳の男性ではこのような大きな差は出ていなかった。 厚生労働省の研究班(研究代表者=辻一郎東北大教授)による40歳代のBMIと平均余命を調査した研究で、太り気味 (25 ≦ BMI < 30)の人が最も長命である結果が得られた。「太り気味の人」に次いで、普通体重 (18.5 ≦ BMI < 25)の人、肥満 (BMI≧30)の人、やせた(BMI < 18.5) 人、の順で平均余命が高いことが判明した。なお、同じ研究で、医療費の負担は太っているほど重くなることも判明し、肥満の人が40歳以降にかかる医療費の総額はやせた人の1.3倍かかっていたという。BMI 30 以上ではほぼ全ての人が脂肪肝であるが、BMI 25 未満で且つ人間ドックの血液検査値に異常が無い群でも約30%が脂肪肝で有ったと報告され、インシュリン抵抗性と食後高血糖が影響している可能性が指摘されている。 2011年に『The New England Journal of Medicine』に発表された論文によれば、日本人を含む100万人のアジア人を調べて、BMIが22.6 - 27.5の人が最も死亡リスクが少ない事を報告している。 2013年1月に、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が発表した研究結果によれば、BMIで「過体重」に分類されたグループのほうが、「普通体重」とされたグループよりも死亡リスクが6%低かった。一方で、BMIが35を超えると死亡率は普通体重に比べて29%増加する。 スウェーデンの男性160万人以上を対象とした調査結果からは、思春期の BMI は、将来の心不全リスクと正の相関があり、BMIの上昇とともにHF発症率が急峻に上昇するとの報告がある。
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