AGM-88C
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 07:59 UTC 版)
「AGM-88 (ミサイル)」の記事における「AGM-88C」の解説
ブロック4改修では弾頭、誘導装置およびソフトウェアが変更され、後に正式にAGM-88Cとなった。弾頭はWDU-37/Bに変更され、ミサイルの破壊力が強化された。WDU-37/Bは炸薬装填量が見直され、炸裂時に飛散する金属片は約12,800のタングステン合金片に変更されている。誘導装置がWGU-2C/Bに変更されたことで信号処理能力が強化されるとともに、以前は1種類だったアンテナが2種類になり、高帯域用のスパイラル・アンテナに加えて8つの素子を持つ低帯域用のアンテナ・アレイが採用された。これにより、探知可能な周波数帯域は0.5-20GHzになり、脅威となるレーダーはもとより、プログラムの変更でATC(Air Traffic Control、航空交通管制)一次/二次レーダー、気象レーダーでさえも追跡することができるようになった。 ブロック4ソフトウェアでは、TOOモード機能が追加された。ブロック5改修では、ソフトウェアのみが改修され、対ジャミング誘導が可能となった。この改修は、AGM-88Cブロック4だけでなく、AGM-88Bブロック3にも適用され、それぞれAGM-88Cブロック4/5、AGM-88Bブロック3/5と呼ばれた。 すべてのAGM-88Cミサイルは、AGM-88C-1としてテキサスインスツルメンツによって製造されたが、シーカーが高価であったため、より低コストのシーカーに変更されたロラール社製AGM-88C-2が試作されて試験飛行が行われたものの、本格的な生産はされなかった。 ATM-88CおよびCATM-88Cは、AGM-88Aのものと同様の目的に使われるAGM-88Cの模擬訓練弾である。しかし、DATM-88Cは造られず、DATM-88Bと共通で使用された。 AGM-88C-1 TOOモード追加。弾頭の変更、誘導装置およびソフトウェアの改良。 製造者:テキサス・インスツルメンツ、フォード・エアロスペース 機関:固体推進剤ロケット・モーター×1 弾頭:WDU-37/B 爆風破砕弾頭 誘導装置:WGU-2C/B AGM-88C-2 低コストシーカーに変更。試作のみ。 製造者:ロラール ATM-88C 訓練用AGM-88C。 機関:固体推進剤ロケット・モーター×1 CATM-88C AGM-88C機上訓練用。キャプティブ。 製造者:テキサス・インスツルメンツ 機関:チオコール TSR-113-TC-1(不活性化)×1
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