エンブロイダリー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/18 15:13 UTC 版)
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この記事は現役競走馬を扱っています。
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エンブロイダリー | |||||||||
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2025年桜花賞優勝時
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欧字表記 | Embroidery[1] | ||||||||
品種 | サラブレッド[1] | ||||||||
性別 | 牝[1] | ||||||||
毛色 | 鹿毛[1] | ||||||||
生誕 | 2022年2月1日(3歳)[1] | ||||||||
父 | アドマイヤマーズ[1] | ||||||||
母 | ロッテンマイヤー[1] | ||||||||
母の父 | クロフネ[1] | ||||||||
生国 | ![]() |
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生産者 | ノーザンファーム[1] | ||||||||
馬主 | (有)シルクレーシング[1] | ||||||||
調教師 | 森一誠(美浦)[1] | ||||||||
競走成績 | |||||||||
生涯成績 | 7戦4勝[1] | ||||||||
獲得賞金 | 2億2455万1000円[1] (2025年5月25日現在) |
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エンブロイダリー(欧字名:Embroidery、2022年2月1日 - )は、日本の競走馬[1]。主な勝ち鞍に2025年の桜花賞、クイーンカップ。
馬名の意味は、刺繡。母名より連想[2]。3代母ビワハイジから児童文学アルプスの少女ハイジに因んだ馬名が連なっており、本馬の名も作中におけるロッテンマイヤーの趣味が刺繍であることに由来する[3]。
経歴
2歳(2024年)
6月2日、東京競馬場5Rの2歳新馬戦でデビュー。直線で内を鋭く伸びるも、ミリオンローズに半馬身差及ばず2着に惜敗した[4]。次走は7月27日開催の新潟競馬場・2歳未勝利戦に出走。好スタートを決めてハナに立つと、マイペースでラップを刻みつつ直線へ向かうと最後は2着馬に7馬身差をつける圧勝で初勝利を飾った。この時の勝ちタイムは1分45秒5で、新潟芝1800mの従来レコードを0秒9更新した[5]。9月29日のサフラン賞は3戦連続で1番人気に支持されたが、スタートでの出遅れが響いて5着に敗れる[6]。11月16日の東京6R・2歳1勝クラスでキャリア2勝目をマーク[7]。
3歳(2025年)
3歳シーズンは重賞初挑戦となる2月15日のクイーンカップより始動。道中は2番手につけ、直線で軽々と抜け出して重賞初優勝を飾った。タイムは1分32秒2のレースレコードで、父アドマイヤマーズの産駒としても重賞初制覇となった[8]。
そして、4月13日に阪神競馬場で行われた桜花賞では、道中は中団を追走し直線で馬群の間を抜け出し、見事にクイーンカップからの重賞連勝で、G1初制覇を果たした[9]。なお、この馬の父であるアドマイヤマーズはこの3歳世代が初年度産駒となるため、2020年のエピファネイアを父に持つデアリングタクト以来となる新種牡馬での桜花賞制覇をアドマイヤマーズにプレゼントするとともに[10]、同産駒は、このレースでG1初制覇となった[11]。また森一誠厩舎は開業2年目にしてG1初挑戦初制覇をクラシックタイトルで飾り、鞍上ジョアン・モレイラは史上7人目となる本競走連覇を達成した。[12]
桜花賞の後はノーザンファーム天栄に放牧に出され、4月25日に、馬主であるシルク・ホースクラブがホームページで、5月25日に東京競馬場で行われる優駿牝馬に向けて調整していくことが明らかにされた[13]。
5月8日、ノーザンファーム天栄から美浦トレーニングセンターに帰厩し[14]、東京競馬場で行われる優駿牝馬に出走予定し、この鞍上にはクリストフ・ルメールを迎えることが、シルク・ホースクラブのホームページで明らかにされた[15]。5月25日、予定通り優駿牝馬に出走。1番人気に推されるが、レースは終始ひっかかって折り合いがつかなかったことと、良馬場に変更されたものの前日の雨でぬかるんだ芝が原因で9着と惨敗した[16]。
競走成績
以下の内容は、netkeiba.com[17]およびJBISサーチ[18]に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上り3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
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2024. 6. 2 | 東京 | 2歳新馬 | 芝1600m(稍) | 12 | 4 | 4 | 2.5 (1人) | 2着 | 1:36.5(33.2) | 0.1 | J.モレイラ | 55 | ミリオンローズ | 480 | |
7.27 | 新潟 | 2歳未勝利 | 芝1800m(良) | 6 | 3 | 3 | 1.1 (1人) | 1着 | R1:45.5(34.3) | -1.2 | C.ルメール | 55 | (アグネスサンキ) | 480 | |
9.29 | 中山 | サフラン賞 | 1勝 | 芝1600m(良) | 9 | 6 | 6 | 1.2 (1人) | 5着 | 1:35.3(34.1) | 0.1 | C.ルメール | 55 | クリノメイ | 480 |
11.16 | 東京 | 2歳1勝クラス | 芝1400m(良) | 10 | 7 | 8 | 1.7 (1人) | 1着 | 1:22.7(33.1) | -0.2 | C.ルメール | 55 | (ボンヌソワレ) | 474 | |
2025. 2.15 | 東京 | クイーンC | GIII | 芝1600m(良) | 14 | 5 | 7 | 4.9 (3人) | 1着 | R1:32.2(34.9) | -0.4 | C.ルメール | 55 | (マピュース) | 482 |
4.13 | 阪神 | 桜花賞 | GI | 芝1600m(稍) | 18 | 4 | 7 | 5.0 (3人) | 1着 | 1:33.1(34.0) | 0.0 | J.モレイラ | 55 | (アルマヴェローチェ) | 482 |
5.25 | 東京 | 優駿牝馬 | GI | 芝2400m(良) | 18 | 5 | 9 | 3.3 (1人) | 9着 | 2:26.7(35.2) | 1.0 | C.ルメール | 55 | カムニャック | 482 |
- タイム欄のRはレコード勝ちを示す
- 競走成績は2025年5月25日現在
血統表
エンブロイダリーの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | サンデーサイレンス系 |
[§ 2] | ||
父
アドマイヤマーズ 栗毛 2016 |
父の父
ダイワメジャー栗毛 2001 |
*サンデーサイレンス | Halo | |
Wishing Well | ||||
スカーレットブーケ | *ノーザンテースト | |||
*スカーレットインク | ||||
父の母
*ヴィアメディチ栗毛 2007 |
Medicean | Machiavellian | ||
Mystic Goddess | ||||
Via Milano | Singspiel | |||
Salvinaxia | ||||
母
ロッテンマイヤー 鹿毛 2013 |
*クロフネ 芦毛 1998 |
*フレンチデピュティ | Deputy Minister | |
Mitterand | ||||
*ブルーアヴェニュー | Classic Go Go | |||
Eliza Blue | ||||
母の母
アーデルハイト鹿毛 2007 |
アグネスタキオン | サンデーサイレンス | ||
アグネスフローラ | ||||
ビワハイジ | Caerleon | |||
*アグサン | ||||
母系(F-No.) | アグサン(IRE)系(FN:16-c) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | サンデーサイレンス:S3×M4 | [§ 4] | ||
出典 |
- 母ロッテンマイヤーは2016年忘れな草賞(OP)勝ち馬で、同年のクイーンカップ3着の実績がある。
- 3代母ビワハイジは1995年阪神3歳牝馬ステークス優勝馬。
- 祖母アーデルハイトの半兄にアドマイヤジャパン、半姉にブエナビスタ、全兄にアドマイヤオーラ、半弟にトーセンレーヴ、半妹にジョワドヴィーヴル、サングレアル
- 母ロッテンマイヤーのいとこにメルキオル。
- そのほかの近親はシュヴァルツゴルト#シュヴァルツゴルトのファミリーライン(Sライン)を参照。
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “エンブロイダリー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2025年2月14日閲覧。
- ^ “エンブロイダリー|競走馬情報”. 日本中央競馬会. 2025年2月13日閲覧。
- ^ “【桜花賞】「素敵」「奥深い」ビワハイジからエンブロイダリーへ「アルプスの少女ハイジ」連想馬名”. 日刊スポーツ (2025年4月14日). 2025年5月31日閲覧。
- ^ “【東京5R新馬戦結果】スワーヴリチャード産駒のミリオンローズが抜け出しV”. netkeiba.com (2024年6月2日). 2025年2月15日閲覧。
- ^ “【新潟1R・2歳未勝利】開幕レースで新潟2歳戦最速を0秒9更新!復帰戦Vのルメール騎手「レコードだけど楽勝」”. netkeiba.com (2024年7月27日). 2025年2月15日閲覧。
- ^ “【サフラン賞レース後コメント】クリノメイ佐々木大輔騎手ら”. netkeiba.com (2024年9月29日). 2025年2月15日閲覧。
- ^ “【東京6R・2歳1勝クラス】「能力があります」ルメール騎手絶賛のエンブロイダリーが2勝目ゲット”. netkeiba.com (2024年11月16日). 2025年2月15日閲覧。
- ^ “【クイーンC】エンブロイダリーがレースレコードで2馬身半差の完勝!アドマイヤマーズ産駒初の重賞制覇”. サンスポZBAT! (2025年2月15日). 2025年2月15日閲覧。
- ^ 「【桜花賞】エンブロイダリーが中団から突き抜けV!重賞連勝で桜冠奪取」『サンケイスポーツ』2025年4月13日。2025年4月13日閲覧。
- ^ 「【桜花賞】エンブロイダリーは49年ぶりの記録 新種牡馬産駒Vは5年ぶり、森一誠調教師は驚異の成績」『東スポ競馬』2025年4月13日。2025年4月13日閲覧。
- ^ 「【桜花賞】エンブロイダリー桜女王 史上7人目連覇のモレイラ騎手「素晴らしい牝馬。フィーリングはグッド」」『サンケイスポーツ』2025年4月14日。2025年4月14日閲覧。
- ^ 「【桜花賞】エンブロイダリー 満開1冠 森一師開業2年目「うれしい」G1初出走初制覇 モレイラは史上7人目の連覇達成」『デイリースポーツ』2025年4月14日。2025年6月19日閲覧。
- ^ 「桜花賞馬エンブロイダリーはオークスで2冠制覇を狙う」『サンケイスポーツ』2025年4月25日。2025年4月26日閲覧。
- ^ 「桜花賞馬エンブロイダリーが美浦トレセンに帰厩 2冠目のオークスに出走予定」『サンケイスポーツ』2025年5月8日。2025年5月9日閲覧。
- ^ 「桜花賞馬エンブロイダリーはルメール騎手との再コンビでオークスへ」『サンケイスポーツ』2025年5月8日。2025年5月9日閲覧。
- ^ “【オークス】エンブロイダリー〝2つの敗因〟 まさかの9着にルメール「伸び切れませんでした」”. 東スポ競馬 (2025年5月25日). 2025年5月30日閲覧。
- ^ “エンブロイダリーの競走成績”. netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 2025年2月15日閲覧。
- ^ “エンブロイダリー 競走成績”. JBISサーチ. 2025年2月15日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|エンブロイダリー|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2025年2月15日閲覧。
- ^ “エンブロイダリーの血統表|競走馬データ - netkeiba.com”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2025年2月15日閲覧。
外部リンク
- エンブロイダリーのページへのリンク