鳥獣による発見伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/30 04:07 UTC 版)
鳥獣が発見したもの(正確には動物が湯に浸かっているのを見た古人が温泉であることを発見したもの)としては、「白い」動物にちなむものが多い。中には、「お告げ」に近い伝説もある。以下に動物とその温泉の例を挙げる。 また、動物が発見したという部分自体がフィクションの場合も存在し、その場合は前述の温泉信仰が関わっている場合が大きい(白い動物が多いのも、これに因む)。 しかし、実際は鳥獣たちが発見したのではなく、それが温泉だと発見したのはそれを目撃した村人(猟師や樵夫など)たちである。動物は本能的に水浴びなどをすることで、体の疲れを癒す習性があり、自然に湧出したいで湯などもその一環として利用されていたに過ぎない。それを敢えて、効能の説得のしやすさや親しみやすさを引き出すために、身近な野生の鳥獣を持ち上げたといえる。 また、この鳥獣が発見したという伝説では、決まって「外傷を癒した」という文句がある。胃腸病や関節痛などは不可視的なものであるために、本当に動物がそれを癒しているか分からないが、外傷なら目に見えるものであるために、誰にでも説得できるからである。もっとも、この鳥獣が発見した温泉は、開湯伝説とは裏腹に、外傷にはさほど効果を発揮せず、むしろそれ以外の部分に効果を発揮することがある。これは前述の通り、鳥獣がいで湯で癒していたのは、必ずしも外傷の治療でなく、単に疲れを癒していた本能的なもの、あるいはたまたまいで湯に鳥獣がいたという偶然として考えられるからである。 白鷺 - 下呂温泉、山中温泉、道後温泉など コウノトリ - 城崎温泉など 白キツネ - 湯田温泉など 白狼 - 三朝温泉など 鹿 - 山鹿温泉、鹿教湯温泉など 猿 - 俵山温泉など 上記のなかには複数の伝説を有するものもある。
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