魔術の源である月
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 15:08 UTC 版)
こうした発想は根強いもので、「当然ながら地母神信仰、つまりは生命を司る大地なる母へと結びついている」という。イザヤ書において、預言者イザヤが「三日月の護符」を身に着けているシオンの乙女を非難するのも、その背景があるためである。月へのそういったイメージは、次第に魔術と結びつけられていった。例えば、信心深いキリスト教徒は月明かりの射す場で眠ることを嫌い、イギリスの哲学者兼科学者のロジャー・ベーコンは真剣に「月光を不用意に浴びたために生命を失った者が少なからずいる」と述べた。 こうした魔力を持つ月の統制権を得たサリエルが神への反逆者と糾弾されるのは、エノク書の中で月の秘密を人間に教えたと記されたからに他ならない。月の秘密とは、月が生命の誕生や死亡に密接に関係している魔力を指すと推測されている。月の運行に関する知識を人間に教えて堕天する彼は優雅に、何も語らず、自らの意志で堕ちたとされる。 そしてサリエルの象徴は鍵である。この鍵が意味するところは諸説あるが、恐らく魔術との深い関係がありそうだと意識され、一層サリエルのイメージは月に似て神秘的となる。
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