頸板以降の背板
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 07:44 UTC 版)
アースロプレウラの最も一般に知られる特徴的な部分は、頸板以降の胴部に並んだ幅広い背板である。この背板は三葉状(trilobation)を示し、全長を走る1対の縦溝を介して横で3部分に分かれている。中央の部分(軸部、syntergite, medial tergite, axial region)は横に長い長方形で、左右に出張った部分(肋部、paratergite, paratergal fold, paranotal tergal lobe, "lateral pleural fold", "pleurite")は後ろ向きに湾曲して尖る。前方約3分の1の表面が2本の隆起線に横断され、表面構造は2本目の隆起線を境目にして変わる。前方約3分の1の部分(prozonite)はこぶが少なく、普段では直前の背板に覆われている。残り後方3分の2の部分(metazonite)は露出して大小のこぶが密生し、その形態は種により異なる。小さなこぶはやや不規則で、大きなこぶは横一例に並んでいる。これらの背板はほぼ全てが同形で、体の前後数枚のみ前後ほど小さくなりながら、肋部が前方ほど前に、後方ほど後ろに屈曲する。しかし小型個体の場合はより変則的で、最初の数枚が最も幅広く、それ以降では後方ほど幅狭くなり、全身がしずく型に近い輪郭を描く。 この背板の確定的な数は不明だが、前後を保存した小型標本はおよそ28節で、前後を欠けた巨大標本 Maybach specimen でも同形の23節をもつことにより、30節ほど(最少28、最多32)であったと推測される。
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