頭よりも後方の骨格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 02:24 UTC 版)
オリジナルのアンガトラマの吻部先端と共に骨格要素は発見されなかったものの、別の産地から産出した骨格断片 MN 4819-V はアンガトラマ属に属する可能性がある。しかし2つの標本の間に重複する要素がないため、直接的な比較は不可能である。MN 4819-V にはほぼ完全な骨盤、複数の脊椎と尾椎、5つの仙椎、右の腸骨と腓骨の断片、右大腿骨の大部分、尺骨の一部があった。また、ほとんど完全な手が知られており、中手骨・指骨・手根骨・鉤爪が含まれていた。全てのスピノサウルス科と同様に、第1指の鉤爪は強くカーブしていて巨大であった。 骨盤は保存が良く、右側は左側よりも良く関節した。癒合した仙椎がまだ骨盤に付いており、恥骨と坐骨の遠位端は失われていた。腸骨は長さ55.3センチメートルだった。腸骨の前寛骨臼翼は底で曲がり、後寛骨臼翼よりも幾分短く深かった。前寛骨臼翼は前方で大きく、対照的に後寛骨臼翼は細長かった。後寛骨臼翼の底に位置する窪みである brevis fossa は座骨の後側縁をなした。恥骨には比較的大型でほぼ閉じた閉鎖切痕があり、恥骨の後方部位の下側縁で閉鎖神経の通り道になっていたことが示唆されている。仙椎の上に突出した神経棘は長く、スピノサウルス科に典型的であった。生きていた頃には、これらは皮膚で覆われて背中に帆を形成していただろう。MN 4819-V は長く浅い腸骨の上側縁が上に曲がっていないことからスコミムスと区別され、坐骨の底にブレード状の発達した閉鎖隆起を持つことでバリオニクスと区別される。
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