韻律と音法則
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「エドゥアルト・ジーファース」の記事における「韻律と音法則」の解説
ジーファースは早くからアクセントや韻律の研究の必要性を主張し、ヴェルナーの法則をヴェルナー以前に発見している。 『パウル・ブラウネ誌』第5巻(1878)に載せた論文「ゲルマン語のアクセントおよび音の法則について」第3章「Zum vocalischen Auslautsgesetz」において、ゴート語の harjis (軍人)と hairdeis (羊飼い)で語尾が異なり、また動詞の二人称単数形でも nasjan (救う)が nasjis になるのに sōkjan (探す)は sōkeis と異なる語尾を持つ現象を論じ、ヴェーダ語にも同様の現象が見られることから、ジーファースは「長い(重い)音節」、すなわち閉音節または長母音で終わる音節に後続する語尾の *j が *ij に変化するという法則を導きだした。これをジーファースの法則と呼ぶ。この法則は後にフランクリン・エジャートンによって拡張された。 “Zur Accent- und Lautlehre der germanischen Sprachen”. Beiträge zur Geschichte der deutschen Sprache und Literatur 5: 63-163. https://archive.org/details/beitrgezurgesch05sievgoog/page/n73. 韻律に関する代表的な著書に『古ゲルマン語の韻律』がある。 Altgermanische Metrik. Halle: Max Niemeyer. (1893). https://archive.org/details/altgermanischeme00sievuoft/page/n3 1901年から1919年にかけて大著『韻律論研究』(全4巻)を著している。 Metrische Studien. 1. Leipzig: B. G. Teubner. (1901). https://archive.org/details/metrischestudien01siev/page/n5 巻2 巻3 ジーファースは書物を中心とした従来の「目の文献学」(Augenphilologie)に対して、音声による生きた言葉を対象とする「話と耳の文献学」(Sprech- und Ohrenphilologie)を提唱した。この考えはロシア・フォルマリズムに大きな影響を与えた。 Rhythmisch-melodische Studien. Vorträge und Aufsätze von Eduard Sievers. Heidelberg: Carl Winter's Universitätsbuchhandlung. (1912). p. 78. https://reader.digitale-sammlungen.de/de/fs3/object/display/bsb11023164_00001.html (バイエルン州立図書館デジタルライブラリー)
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