面霊気―薔薇十字探偵の疑惑
面霊気
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/29 04:10 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動面霊気(めんれいき)は、鳥山石燕による妖怪画集『百器徒然袋』にある日本の妖怪の一つで、面の妖怪。
概要
石燕による解説文には「聖徳太子の時、秦の川勝あまたの仮面を製せしよし。かく生けるがごとくなるは、川勝のたくめる仮面にやあらんと、夢心におもひぬ。」とある。泰河勝(はたのかわかつ)は飛鳥時代の人物で、能・狂言の原型となった芸能・「申楽」の始祖であるとされる伝説をもつ。そのような、面をつかう芸能とゆかりのある秦河勝のつくった面がこの「面霊気」であろうかと石燕は述べている[1][2]。
秦河勝と聖徳太子
神々をまつる六十六番の神楽に使うため、聖徳太子が秦河勝に六十六の面を作らせたことが、のちの申楽(猿楽)の元祖となった[3]という伝説があり、この伝説を素材として石燕は能・狂言の面の妖怪として創作した妖怪である面霊気の解説文部分を執筆したと考えられている。世阿弥による能の理論書『風姿花伝』(巻四 神祇)では、申楽の始まりとして、秦河勝が六十六番の芸を見せ、聖徳太子の作による六十六の面を与えられたことがはじまりであるという伝説をしるしている[4][1]。秦河勝と聖徳太子の伝説に基いて「申楽」は「神楽」の字から発生したとこれらの伝説では示されることが多いが実際に聖徳太子の時代にそのような考えがあったかどうかは不明である[5]。
昭和・平成以降の解説
古くなった面の化けたもので夜になると動き出す[6]、優れた作品の面が古くなって魂を宿した付喪神(器物が変化した妖怪)であり、持ち主に対して大切に扱ってくれるよう頼む[7]などの解説がある。
脚注
- ^ a b 高田衛監修 稲田篤信・田中直日編『鳥山石燕 画図百鬼夜行』国書刊行会、1992年、310頁。ISBN 978-4-336-03386-4。
- ^ 村上健司編著『妖怪事典』毎日新聞社、2000年、329頁。 ISBN 978-4-620-31428-0。
- ^ 高木敏雄 『日本神話物語』 服部書店 1911年 191-192頁
- ^ 島津久基 『国民伝説類聚』 大岡山書店 1933年 168頁
- ^ 西野春雄 羽田昶『能・狂言事典』平凡社、1987年、ISBN 4-582-12608-1 257頁
- ^ 水木しげる『決定版 日本妖怪大全 妖怪・あの世・神様』講談社〈講談社文庫〉、2014年、705頁。 ISBN 978-4-06-277602-8。
- ^ 多田克己『幻想世界の住人たち IV 日本編』新紀元社〈Truth in fantasy〉、1990年、303頁。 ISBN 978-4-915146-44-2。
面霊気
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 06:09 UTC 版)
まほろの執事。常に面を被っているが、一般人には普通の顔に見えている。状況によって面の種類を変え、まほろの機嫌取りをしている。まほろと共に付喪神系の妖怪を集めて寄り合いをしている。
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