非軍事的側面に関する議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 16:42 UTC 版)
「国家安全保障」の記事における「非軍事的側面に関する議論」の解説
ただし、安全保障の概念をどこまで拡大するかについては、「何にでも安全保障の概念が適応できるのか」という議論が残っている。例えば環境問題を安全保障の観点から研究する場合、その「安全を保障する対象」は、国家なのか、特定の地域なのか、地球全体なのか、もし地球全体を守る対象とする問題だとするならば、それは普通の「環境問題」であるのではないか、などの議論がある。 また、国政においては安全保障も政争の具であり、あらゆる事象、事柄を安全保障に結びつけることで危機感を煽り自らの権力拡大に役立てる政治手法が用いられる場合がある。しかし、全てを安全保障に絡めてしまうと、必要以上の危機感や不安感を多くの人々に与えてしまう場合がある。また、本来は対話などの平和的解決も安全保障に含まれているにもかかわらず、安全保障に偏った外交方針を敷くと外交が硬直化し、非妥協、非協力的な国家として孤立に結びつく可能性がある。同時に、集団的安全保障を敷く国においては同盟国への必要以上の譲歩に結びつき国益を損なう可能性もある。それは本来安全保障が目的とする「国家や人々の安全な状態を保つ」とは言えず、安全保障が「国家を危険な状態に追い込み、人々に不安な状態を呼び込む」と言った事態が生じてしまう。
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