非存在について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/13 04:19 UTC 版)
ゴルギアスの『非存在について』は失われた著作である。レトリックの著作というよりも、同時代のエレア派の命題を反駁し、パロディにした理論が述べられている。原文は失われていて、現在残っているのはパラフレーズがたった2つだけである。1つは哲学者セクストス・エンペイリコスの『数学者に対して』の中に、もう1つは作者不詳の『De Melissus, Xenophane, Gorgia』の中に出てくる。どちらも相手との会話部分が除外されていて、それはどちらも同じ文献を元にした可能性があることを示唆している。しかし、それが懐疑的な論法を発展させたことは明らかである。その内容はざっと以下の通りである。 何も存在しない。 たとえ何か存在するにしても、それについて知りうることは何もない。さらに、 たとえ何かそれについて知りうることがあるにしても、それについての知識を他人と理解し合うことはできない。 この議論は広く、パルメニデスの存在に関する命題の皮肉な反論として理解されていた。ゴルギアスは、存在は1つで・不変で・永遠のものだということを示すことがたやすいように、結局何も存在しないということを証明するのも簡単だということを証明するためにこれを書いた。
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