非アーベル圏とは? わかりやすく解説

非アーベル圏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 16:09 UTC 版)

群の圏」の記事における「非アーベル圏」の解説

アーベル群の圏 Ab は群の圏 Grp充満部分圏であるが、Ab がアーベル圏を成すのに対し Grp は非アーベルである。実際にGrp二つ群準同型の「和」を定義する自然な方法存在しないから、加法圏ですらない実例として、三次対称群 S3 上の自己準同型全体の成す集合 E ≔ Hom(S3, S3) を考えよう。E は位数 10 である(そのうち一つの元は、任意の元を単位元に写す零準同型 z であり、E の任意の元に z を左または右から掛けるとその積は z に等しい。三つは、位数 2 の部分群(これが全部三つある)への射影であり、これらは各々同じ側から何度掛けても自分自身となるような元になる。残り六つ自己同型となる)。仮に Grp加法であったならば、この集合 E は位数 10 の環(自己準同型環)を成さなければならない任意の環において零元 0 はその任意の元 x に対して 0⋅x = x0 = 0満たす元(吸収元)として規定されるのであるから、E の零元零準同型 z がそれであるはずである。しかし、E のどの二つの非零元掛けて z になることはないから、つまり E は零因子持たない有限環なければならないことになる。ウェダーバーンの小定理により、零因子持たない有限環有限体であるが、有限体位数は必ず素数の冪でなければならないから、位数 10 の E は有限体ではありえない。これは不合理

※この「非アーベル圏」の解説は、「群の圏」の解説の一部です。
「非アーベル圏」を含む「群の圏」の記事については、「群の圏」の概要を参照ください。

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