青丘会 (1972年)とは? わかりやすく解説

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青丘会 (1972年)

(青丘文化奨励賞 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/10 17:21 UTC 版)

青丘会(せいきゅうかい、청구회)は、在日コリアン中小企業経営者の有志で運営する組織[1]1972年設立[2]。在日同胞の研究・文化活動を「青丘文化賞」、「青丘文化奨励賞」により表彰、支援、激励する[1]。青丘会[3] の「青丘」は朝鮮半島の雅称[1]

「青丘文化賞」は作家梁石日らが受賞していた[1]。梁石日は選考委員も務めた[4]。政治学者姜尚中1995年(1994年度)に「青丘文化奨励賞」を受賞することにより在日社会から送り出された[5]

評論家安宇植は青丘文化賞にこだわりを持っていた[5]。安宇植によると日本の大学で教壇に立つには青丘文化賞が必要なのであるということであった[5]

1975年(1974年度)に開始した賞は1997年(1996年度)まで高淳日が主宰[6]。賞は「青丘賞」と略される[4]。賞は「会員の自己満足に過ぎない」という批判もある[1]。賞の認知度は低く、高淳日は映画監督金佑宣から「へーえ、そんな賞があったの」と言われてしまった[1]

青丘文化賞、青丘文化奨励賞は高淳日が発刊した『青丘通信』によって報告された[5][6]
『始作折半 – 合本 くじゃく亭通信・青丘通信』(髙淳日 編著、三一書房) が2014年に刊行。
2015年1月18日には、同書籍の出版を祝う会が、 金石範氏、姜在彦氏、金時鐘氏、高史明氏、姜徳相氏、梁石日氏の呼びかけで開催された。

設立の背景

日本において在日外国人を対象とした賞がなく、在日コリアンにとって本国となる北朝鮮韓国においても在日コリアンのための賞を設けていなかったのである[1]

もう一つには、在日作家の金達寿金石範がそれぞれ芥川賞直木賞候補であったが、理由がよくわからないまま受賞にならなかった件がある[1]

設立時の会員

青丘文化賞

主な受賞者。

姜徳相は『大原社会問題研究所雑誌』の中で「金達寿先生」と言い、金達寿を紹介している[10]
  • 第15回
  • 1990年(第16回)
  • 第17回
  • 1992年(1991年度)
    • 姜英之(東アジア総合研究所所長、韓国民主平和統一諮問会議諮問委員、在日韓国新聞協会理事)[16]
  • 1996年
    • 韓晳曦(青丘文庫設立者、神戸キリスト教青年会理事)[17]
  • 1997年(1996年度 第21回)
    • 該当者なし[18]

青丘文化奨励賞

主な受賞者。

朴慶南は関東大震災時に朝鮮人を迫害する群衆1000人を命懸けで追い払った大川常吉警部を紹介した『ポッカリ月が出ましたら』(三五館、1992年)で知られるが、朴慶南は朝鮮人虐殺を調査する中で青丘文化賞受賞者姜徳相の著書『新版ー関東大震災・虐殺の記憶』(青丘文化社、2003年)を読んでいるようである[22]

関連人物

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n 高淳日 ホームページ: 青丘会のこと. 1991年7月朝日新聞日曜版連載記事.
  2. ^ a b c d 『始作折半―合本くじゃく亭通信・青丘通信』 高 淳日【編著】《コ/スンイル》 —— 著者紹介. 紀伊國屋書店.
  3. ^ かつて朝鮮に政治活動家張沢相 (1893年生 – 1969年没) が会長を務めていた同名組織がある。その青丘会は統一革命党事件に関連する (シン・ヨンボク 『青丘会の思い出』)。
  4. ^ a b 座談 梁石日&小林恭二&山本容子. 公益財団法人ワンコリアフェスティバル. (1998)
  5. ^ a b c d e f 北朝鮮問題を斬る:570 - 『始作折半』の刊行を祝す!. 安部桂司 (: 南牛). North Korea Today. 2014年6月25日.
  6. ^ a b c 各地で ダイジェスト. 統一日報. (2015年2月4日)
  7. ^ 総合目録. 和泉書院.
  8. ^ 架 橋 26: 2006 冬 - ジローの文学マダン. 磯貝治良と在日朝鮮人作家を読む会.
  9. ^ 姜徳相(カン・トクサン)教授略歴. 一橋大学〈一橋論叢〉, 115(2): 528-530. 1996-02-01.
  10. ^ 姜徳相「【特集】関東大震災90年 —— 朝鮮人虐殺をめぐる研究・運動の歴史と現在 (1)  一国史を超えて —— 関東大震災における朝鮮人虐殺研究の50年」『大原社会問題研究所雑誌』第668号、法政大学大原社会問題研究所、2014年6月、6-23頁、NAID 120005479131 
  11. ^ 2014いのちの講演会. 築地本願寺.
  12. ^ 高史明 コ サミョン. コトバンク.
  13. ^ 新宿梁山泊代表 金守珍. 新宿梁山泊.
  14. ^ 対談 金守珍&前田日明. 公益財団法人ワンコリアフェスティバル. (1999)
  15. ^ Creative Office CUE
  16. ^ 『韓国経済挫折と再挑戦―漢江の奇跡は二度起こるか』 姜 英之【編著】《カン/ヨンジ》 —— 著者紹介. 紀伊國屋書店.
  17. ^ ハン ソクキ Han Seok-hi. コトバンク.
  18. ^ a b 高淳日 ホームページ: 青丘賞授賞式と祝賀会のご案内
  19. ^ 朴 一 - 研究者要覧. 大阪市立大学.
  20. ^ a b 永六輔さんとワンコリアを語る. 公益財団法人ワンコリアフェスティバル. 1993.
  21. ^ a b ワンコリアインタビュー 永六輔氏. 公益財団法人ワンコリアフェスティバル. 1994.
  22. ^ 9月29日 - キョンナムのおしゃべり箱. 朴慶南ホームページ「ぽっかり月が出ましたら」. (2004年)
  23. ^ チョン ウォルソン Chon Wol-son. コトバンク.
  24. ^ 1993 金順子K・G・K後援会活動の記録. 金順子韓国伝統芸術研究院.

発展資料

関連項目

外部リンク




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