霧散した民族資本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/08 10:09 UTC 版)
「1マレーシア・デベロップメント・ブルハド」の記事における「霧散した民族資本」の解説
2003年ごろ、エンロン破綻事件の捜査線上でミューチュアル・ファンドが短期取引・時間外取引を摘発された。同じころ、日銀をふくむ海外機関投資家は極東の債券市場を統合・拡大させようと全力をつくした(EMEAPのアジア債券基金設立)。 マレーシアの国際収支は2005年以降黒字で推移してきたが、2008年には128億リンギットの赤字に転落した。これは資本収支が大赤字だったからである。2008年の経常収支は輸出拡大によって全年の1004億リンギットから1294億リンギットへ28.8%増加した。この時点でGNIの18.1%である。問題の資本収支は世界金融危機で流出した。2007年の377億リンギットの流出から2008年は1239億リンギットの大幅流出となった。海外機関投資家による投機的な短資引き揚げだけでなく、マレーシア企業による対外直接投資の増加も要因であった。この対外直接投資は、2007年の382億リンギットから2008年に471億リンギットへ23.3%増加した。特に、金融・保険業、通信およびエネルギー関連産業のアジア地域への対外投資が活発だった。通信ではインドの携帯電話キャリアへの進出が注目される。証券投資は2007年には184リンギットの純流入であったが、2008年には一転して924億リンギットも流出した。 1MDBは国際収支の改善を意図して創設されたが2014年デフォルトして、マレーシアの機関化がさらに進んだ。 2018年5月10日マハティールが政権を奪還した。しかし、彼は打倒ナジブの旗印のつもりでしかなく、政権運営をアンワル・イブラヒムに託す意向である。アンワルは財務大臣のとき国際通貨基金が策定したマレーシア経済復興プランに賛同した。機関投資家に買われてアカウント・アビリティー(AccountAbility)の名誉総裁となり、企業統治を機関化しようとしている。 マレーシアの資本市場は、政治の根底において、海外機関投資家の影響を受けつづけている。
※この「霧散した民族資本」の解説は、「1マレーシア・デベロップメント・ブルハド」の解説の一部です。
「霧散した民族資本」を含む「1マレーシア・デベロップメント・ブルハド」の記事については、「1マレーシア・デベロップメント・ブルハド」の概要を参照ください。
- 霧散した民族資本のページへのリンク