雨氷の性状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 04:05 UTC 版)
雨氷は、物体表面に硬く滑らかで透明な氷の層を作る。同じ着氷現象の一種である樹氷や粗氷とは、色や性質により区別されている。樹氷は白色不透明、粗氷は半透明なのに対して、雨氷は透明である。また樹氷より粗氷の方が固いがどちらも手で触れば崩れる程度の硬さであるのに対して、雨氷は固く手で触った程度では崩れない。色や脆さの違いは、気泡の含有率に起因している。樹氷は小さな気泡をたくさん含むため白色で脆く、粗氷は樹氷よりは固いがそれでも気泡を多く含むため半透明を呈する。一方の雨氷は気泡の含有率が低いため透明であり、氷が形成されるとき水滴同士が融合しあうため表面が滑らかになる。雨氷の密度は約0.9であり、純粋な氷とほぼ同じである。 なお、0℃をわずかに超えた雨粒が0℃以下に冷えた物体に付着しても透明な氷ができ、雨氷と混同される場合がある。また、積雪が融解したあと再び凍結するなどして透明な氷ができることもある。これらは雨氷ではない。なお、再凍結によりできるもののうち、たとえば細く地面に向かって垂れ下がるものは氷柱、反対に空に向かって伸びるものは氷筍という。
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