隕石衝突のエネルギー量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/08/18 04:06 UTC 版)
「K-T境界」の記事における「隕石衝突のエネルギー量」の解説
隕石の衝突では、隕石の持つ運動エネルギーが衝突時に解放される。運動エネルギーは隕石の質量に比例し、速度の二乗に比例する。隕石の落下速度は、隕石の軌道が地球軌道とどのように交わるかで大きく変化するが、少なくとも15km/秒、時には50km/秒を超える。これを時速に換算すると最も遅い隕石でも5.4万km/時で、その落下速度は(空気抵抗による減速を考慮しなければ)ジェット旅客機の巡航速度(約900km/時)の60倍に相当する。隕石が小さい場合は空力加熱(隕石前面の空気が圧縮されて加熱する)で地上に落ちるまでに燃え尽きてしまうが、もう少し大きいと空気抵抗によって減速されながら落下し地上に隕石として残る。直径50m以上の大きさで鉄隕石のように硬いものだと空気抵抗による減速の影響は少ないまま地上に激突する。この場合は隕石の持つ運動エネルギーが大きいため、隕石本体は地面にもぐりこみながら激しい衝撃により爆発する。そのため隕石衝突のエネルギーを比較するには、核爆弾と同様に爆発のエネルギー(具体的には代表的な火薬であるTNTの重量TNT換算)で表記する。 チクシュルーブ・クレーターを形成した衝突エネルギーは、TNT換算3×108 - 109メガトンと計算されているが、この量は冷戦時代にアメリカとソ連が持っていた核弾頭すべての爆発エネルギー104メガトンの1万倍以上に相当する。
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